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第1682回:院長ブログ:朝食を抜くと太る?朝ごはんと肥満・メタボの関係 ~「朝食を食べれば痩せる」とも「抜けば痩せる」とも限りません~

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第1682回:院長ブログ:朝食を抜くと太る?朝ごはんと肥満・メタボの関係 ~「朝食を食べれば痩せる」とも「抜けば痩せる」とも限りません~

この記事でわかること

  • 朝食を抜く人は本当に太りやすいのか
  • 「朝食を食べれば痩せる」とは言い切れない理由
  • 朝食を抜くと昼食・夕食にどんな影響が出るのか
  • 朝食と血糖・体内時計との関係
  • 朝食抜きと「夜型生活」の関係
  • 肥満対策で本当に大切な食事の考え方

「朝食は絶対に食べた方がいい」は本当?

昔から、

「朝食は一日の中で最も大切な食事」

と言われてきました。

一方、最近では、

「朝食を抜けば摂取カロリーが減る」

「朝食を食べない方が痩せる」

という話も聞きます。

では、肥満・メタボ対策として、

朝食は食べるべきなのでしょうか?

結論からいうと、

「朝食を食べれば痩せる」
「朝食を抜けば太る」

と単純に決めることはできません。

大切なのは、朝食だけを見るのではなく、一日全体の食事と生活リズムを見ることです。


朝食を抜く人は肥満が多い?

多くの観察研究では、朝食を食べない習慣と、

肥満
メタボリックシンドローム
2型糖尿病

などとの関連が報告されています。

しかし、ここで非常に重要なのが、

「関連がある」ことと「朝食を抜いたことが直接の原因である」ことは同じではない

という点です。

朝食を抜く人では、

夜遅くまで起きている
夕食が遅い
夜食を食べる
睡眠時間が短い
喫煙や飲酒習慣がある

など、ほかの生活習慣が重なっていることがあります。

したがって、

朝食欠食だけが肥満の原因

とは言い切れません。


朝食を食べれば痩せる?

これも単純ではありません。

「朝食を食べる人の方が痩せている」という観察研究がある一方で、

朝食を追加するだけで体重が減る

ことが確立しているわけではありません。

たとえば、これまで朝食を食べていなかった人が、

昼食・夕食をまったく変えずに、

パン
ジュース
甘いカフェラテ

などを朝食として追加すれば、単純に一日の摂取エネルギーが増える可能性があります。

つまり、

「朝食は健康によいから、とにかく追加すればいい」

ということではありません。


朝食を抜くと昼に食べすぎる?

朝食を抜くと、

昼食までの空腹時間が長くなる

ため、人によっては昼食時の空腹が強くなります。

すると、

大盛りを選ぶ
早食いになる
高エネルギーの食品を選ぶ
食後に甘いものを追加する

などにつながることがあります。

さらに昼食も軽い場合には、夕方から夜に強い空腹となり、

一日の摂取量が夜へ集中する

こともあります。

前回解説した「夜遅い夕食」と組み合わさると、体重管理が難しくなる場合があります。

【図1:朝食を抜くと太る?― 朝食欠食から「強い空腹・大食い・夜型」につながる流れ】


でも朝食を抜いても平気な人もいる

一方、

「朝食を食べなくても昼に食べすぎません」

という人もいます。

その場合、

朝食を抜いたことで一日の総摂取量が減っている可能性もあります。

つまり、

朝食欠食に対する反応には個人差があります。

重要なのは、

朝食を食べたかどうかだけでなく、その結果、一日の食事全体がどう変化したか

です。


朝食と血糖の関係

食事をすると血糖値が上昇し、インスリンなどのホルモンが働きます。

この反応にも一日のリズムがあります。

一般に、糖代謝には概日リズムがあり、同じ食事でも時間帯によって代謝反応が異なることがあります。

また、朝食を抜いて食事が後半へ偏る生活では、食事時間そのものが不規則になりやすくなります。

特に、

肥満
糖尿病
境界型糖尿病

などがある方では、食事時間だけでなく一日の食事量や糖質量、薬剤との関係も考える必要があります。


「セカンドミール効果」とは?

朝食について調べると、

セカンドミール効果

という言葉を目にすることがあります。

これは、最初に食べた食事の内容などが、その次の食事後の血糖反応に影響する現象を指します。

たとえば、食物繊維などを含む食事によって、次の食事後の血糖反応が変化することがあります。

ただし、

「朝食を食べれば必ず昼食後の血糖が上がらない」

という意味ではありません。

何を食べるかによっても大きく変わります。


朝食を食べるなら「内容」も重要

朝食を食べる習慣があるなら、

「朝食を食べた」という事実だけで安心しない

ことが大切です。

たとえば、

菓子パン+甘い飲み物

と、

卵・魚・肉などのタンパク質を含む食事

では、栄養構成が大きく違います。

肥満・メタボ対策では、

糖質だけに偏りすぎないこと
タンパク質を確保すること
一日の総摂取量を考えること

が重要です。


朝は食欲がない……その原因は?

朝食を食べない方の中には、

「朝はまったくお腹が空かない」

という人もいます。

この場合、朝食そのものより、

前日の夜を確認する

ことが重要です。

夕食が22時。

23時にお酒。

0時にお菓子。

1時に就寝。

このような生活なら、朝に空腹を感じないのは不思議ではありません。

つまり、

朝食を食べないことが問題なのではなく、夜型の食生活の結果として朝食が食べられなくなっている

可能性があります。


「朝食抜き」と「夜型生活」をセットで考える

朝食を抜く生活が問題になりやすいケースの一つが、

夜に食事が集中している場合

です。

たとえば、

朝:食べない
昼:軽め
夕方:間食
夜:大盛り夕食
深夜:お酒・夜食

というパターンです。

この場合、

「朝食を食べてください」

だけでは解決しません。

まず見直したいのは、

夜の食事量と生活リズム

です。

夜の摂取量が減り、就寝時間が整うと、自然に朝に空腹を感じるようになる方もいます。


「朝食を抜いて16時間断食」はどう?

近年、

時間制限食(time-restricted eating)

への関心が高まっています。

一定の時間帯に食事をまとめ、それ以外の時間は食べない方法です。

研究は進んでいますが、

「朝食を抜いて16時間空腹にすれば誰でも痩せる」

と単純に考えることはできません。

体重減少には、結果として一日の摂取量が減ることが大きく関係します。

また、

糖尿病治療薬を使用している
インスリンを使用している
高齢者
栄養状態に問題がある

などの場合には、自己判断で長時間の絶食を行うことが適さない場合があります。


朝食を食べた方がよい人は?

すべての人に同じ答えはありませんが、たとえば、

朝食を抜くと昼に大食いしてしまう
夕方から夜に間食が増える
夜に食事が集中している
朝から活動量が多い

という方では、朝食を含めて食事配分を見直す意味があります。

一方で、朝食を食べなくても一日の食事量や栄養バランスが適切で、体重や検査値にも問題がない場合には、

「朝食を食べないから必ず不健康」

と決めつける必要はありません。


肥満対策で見るべき「5つのポイント」

朝食を食べるか迷ったら、次の5つを確認しましょう。

① 一日の総摂取量

朝食を追加した結果、単純に食事量が増えていないか。

② 昼食

朝食を抜いたことで、大盛りや早食いになっていないか。

③ 夕食

一日の食事が夜に集中していないか。

④ 夜食

寝る前のお菓子や飲酒が習慣になっていないか。

⑤ 睡眠

夜更かしの結果として朝食を食べられなくなっていないか。

【図2:「朝食を食べる?抜く?」迷ったときの5つのチェックポイント】


朝食だけで肥満対策を考えない

肥満の原因は、

「朝食を食べたか、食べなかったか」

だけでは決まりません。

食事全体
間食
飲酒
運動
睡眠
ストレス

などが複雑に関係します。

そのため、

朝食を食べれば健康になる

という発想ではなく、

朝から夜までの食事パターンを整える

という考え方が大切です。


当院の考え方

肥満・メタボの診療では、

「朝食を食べていますか?」

という質問だけでは十分ではありません。

朝食を食べないのであれば、

なぜ食べないのか

を見る必要があります。

朝に食欲がない。

時間がない。

夜遅く食べている。

昼まで空腹にならない。

理由によって対策は変わります。

さらに、

体重・BMI・腹囲・血圧・血糖・HbA1c・脂質

などを合わせて、その人にとって改善すべき生活習慣を考えることが重要です。

肥満・メタボが気になる場合は、まずは内科クリニックへご相談ください。

必要に応じて専門医療機関へご紹介します。


まとめ

朝食を抜く習慣と肥満・メタボとの関連は報告されています。

しかし、

「朝食を抜けば必ず太る」

わけではありません。

逆に、

「朝食を食べれば痩せる」

とも限りません。

重要なのは、

朝食
↓
昼食
↓
夕食
↓
夜食
↓
睡眠

という一日の流れです。

肥満対策では、一食だけを切り取るのではなく、

「一日の食事をどの時間帯に、どのくらい食べているか」

を見直しましょう。


当院からのメッセージ

朝食については、

「絶対に食べるべき」
「食べない方が痩せる」

という二択で考える必要はありません。

自分が朝食を抜いた日に、

昼食はどうなるか。

夕食はどうなるか。

夜食は増えないか。

そこまで確認して初めて、自分に合った食事パターンが見えてきます。


院長のワンポイントアドバイス

朝食を食べるべきか迷っている方におすすめなのは、

まず夜の食事を確認すること。

朝に食欲がない原因が、

「前日の夜に食べすぎている」

ことは珍しくありません。

朝食だけを無理に追加するより、

夜の食事を整えた結果、自然に朝お腹が空く。

この流れを作れると理想的です。


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次回予告

肥満・メタボシリーズ 第18回

間食は太る?お菓子・ナッツ・果物との上手な付き合い方

「間食は一切やめなければいけない?」

「ナッツならいくら食べても大丈夫?」

「果物は健康によいから太らない?」

次回は、間食そのものを悪者にするのではなく、何を・どのくらい・なぜ食べるのかという視点から、肥満・メタボ対策としての上手な間食の取り方を解説します。

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