いちかわクリニック

いちかわクリニック

内科

INTERNAL MEDICINE

INTERNAL MEDICINE
内科

私たちは、地域住民の皆様の健康をより早い段階から守るため、生活習慣病を中心としたプライマリケアの実践を主に置いた診療を行い、地域医療に貢献をしていきたいと考えております。そのために一般内科では、風邪やインフルエンザから始まり、下痢や嘔吐、頭痛、めまい、不眠、胃腸の不調など、日常的に起こりうる体調不良に対して、適切な診断と治療をすることを心がけております。

また、なんとなく調子が悪い、どこの科にかかるべきかも分からないなど、どのようなことでも地域のかかりつけ医としていつでも御相談していただけるようなクリニックを目指しております。

<主な症状・病気>

風邪

風邪を引いた女性

風邪は、診療にて最も多く見る病気の一つです。
しかしながら、風邪はその診断を最も慎重にするべき病気の一つでもあります。

当院では、『咳』『鼻』『のど』などの症状の有無や、その経過をよく聞くことにより常にどのような治療が患者さんの症状の軽減につながるかを考え診断と処方を行なっています。
さらに、風邪診療においては、『説明を処方する』という言葉があります。
現在の考えうる状態や今後予想される経過、どのような状態になったら再診療に来院するべきかなど、まさに『説明を処方する』ということを常に心がけております。

また、未だに風邪診療において漫然と抗生剤を処方されるケースが多いと言われています。
通常の風邪は、普通感冒といい、ウイルス性疾患であるため抗生剤の処方はまず必要ではありません。風邪をひいたら肺炎予防に抗生剤を処方しているということもあるようですが、ある研究では、抗生剤の予防投与により恩恵を受ける人を1人作るのに、4000人以上の方に盲目的に抗生剤を処方して初めてそれが達成できるというデータがあります。そして恐ろしいことに、4000人に抗生剤を投与すると、なんらかの副作用が出る人が数百人に及ぶのです。もちろん、普通感冒とは異なり、抗生剤を適切に使用すべき病気もあります。予防投与が必要な方々もいます。
ですから、適切な診断と治療は風邪診療において最も大切なものと考えます。

インフルエンザ

インフルエンザワクチンについてはこちら

インフルエンザ

インフルエンザは、通常の風邪とは異なり、2日間ほどの潜伏期をおいて、急激な発熱、筋肉痛、関節痛などの症状で発症します。全身症状が風邪とは異なり非常に強く、適切な早期診断と早期治療が望まれます。
現在では、ほとんどの医療機関でインフルエンザかどうかを判断する迅速検査というものが可能となっております。

インフルエンザ検査

しかし、発症早期には必ずしも全例正確に陽性となるものではありません。
そこで当院では、そのほかのインフルエンザの診断に有用な所見として、インフルエンザ濾胞というものの発見に力を入れております。インフルエンザ濾胞とは、迅速検査でまだ陽性とならない発症早期でも診察にて認めることができるものです。実際に、喉の奥にぷつぷつとした出来物ができ、これをインフルエンザ濾胞と言います。このように、検査で陰性でも、なるべく早期に診断を試み、患者さんの苦痛を少しでも早く取り除くことに努力しております。そして、これにより地域のインフルエンザの流行を少しでも抑えることができればと考えております。

インフルエンザの治療薬には多くの薬が存在します。

インフルエンザ治療薬

  • オセルタミビルリン酸塩(商品名:タミフル):内服薬
  • ザナミビル水和物(商品名:リレンザ):吸入薬
  • ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(商品名:イナビル):吸入薬
  • ペラミビル水和物(商品名:ラピアクタ):点滴
  • バロキサビルマルボキシル(商品名:ゾフルーザ):内服

現在主流となっている薬は、ノイラミニダーゼ阻害薬といわれています。
ノイラミニターゼとは、ウイルスの表面にある物質で、細胞からウイルスが飛び出して拡散する際に必要となります。これを阻害することにより、細胞の外に広がるのを防ぐことで治療をします。ですから、感染後ある程度時間が経つと、すでにウイルスは細胞から飛び出し、身体中に広がっていますので、薬の効果は薄いということになります。一般に、発症後48時間以内に内服することが望まれます。そして、症状の改善するまでの時間を1日程度短縮してくれるという結果が出ています。

また、上記薬の中でもイナビルは一回の吸入で治療が終了するという簡便さのため、多くの医療機関で使用されています。しかし、イナビルは日本のみでしか使われていない薬です。実は、海外では発売前の試験で効果がないという結果が出て(IGLOO trial)、販売されることはありませんでした。なぜ日本で発売にこぎつけたのかを含めてのお話は割愛しますが、簡便さだけを理由にイナビルを乱用するのには様々な点で疑問が残ります。
最もエビデンスの蓄積があるタミフルを中心に、毎年の感染の特徴や薬剤耐性ウイルスの流行状況などを勘案し、目の前の患者さんに適した薬剤の処方をすることが重要です。

また、つい最近、インフルエンザ治療薬の新薬が発売されました。この薬は、バロキサビルマルボキシル(商品名:ゾフルーザ)と言われ、今までとは全く違った機序で作用します。つまり、キャップ依存性エンドヌクレアーゼ活性阻害作用を持ち、細胞内でウイルスそのものを増殖するのを抑えてくれます。1回の内服で済むため、さらなるインフルエンザ対策に一つの有効な手段かとも思いますが、発売する製薬会社の発表資料でさえ、症状が改善するまでの期間は、これまで発売されている薬であるタミフルと変わりありません。しかし、流石にウイルスの増殖そのものを抑えるため、患者さんから排出されるウイルス量は、これまでの薬より減るというデータも同時に出ています。
このことが、感染の拡大を防ぐ等の情報となり拡散することが予想できます。
このことに関しても含め、新薬であることを頭に入れ、今後発表されるであろうしっかりとした論文を吟味し使用を考慮していく必要がありそうです。

インフルエンザワクチンについて

インフルエンザについては、その予防にワクチンは有効です。インフルエンザワクチンの効果は、通常、接種してから2週間後から始まり、3~5ヶ月程度続きます。通常、インフルエンザが大流行するのは1月下旬あたりであることを考えると、遅くとも12月までには接種することが重要です。そして、その効果ですが、実は高齢者においては45%しか発症を予防する効果がありません。しかし、発症した場合に重症となってしまうのを防ぐ効果は60%あり、インフルエンザによる死亡を80%減少させます。

つまり、インフルエンザワクチンの最も大きな効果は、発症の予防ではなく、重症化や死亡の予防なのです。元々肺や心臓などに病気を持った高齢者の方は、インフルエンザによる重症化や死亡を防ぐという大きな恩恵をワクチンで得ることが出来きます。

また、インフルエンザワクチンには、防腐剤として水銀であるチロメサールという物質が入っていることがあります。
当院では、チロメサールの入っていないワクチンの入手と接種を心がけています。

頭痛

頭が痛い女性

頭痛は、風邪などと同様に、よく見かける病気です。
しかし、頭痛の中には稀に命に関わるものもあり、注意が必要です。

1次性頭痛と2次性頭痛に分類されます。

よく見かけるのは1次性頭痛で、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などがあります。しかし、下記のような場合は、2次性頭痛の可能性が考えられ、くも膜下出血や脳腫瘍などの命に関わる病気も否定できず、注意が必要です。

<頭痛で注意するべき症状>

  • 突然の頭痛
  • 今まで経験したことがない頭痛
  • いつもと様子の異なる頭痛
  • 程度と頻度が増していく頭痛
  • 50歳以降に初発の頭痛
  • 頭痛以外にもほかの症状がある頭痛
片頭痛
ズキズキと拍動するような痛みを伴う頭痛で、多くは片側性、つまり頭の片側だけが痛みます。日常的な動作で症状は悪化し、吐き気や嘔吐を伴ったり、光や音で悪化(光過敏、音過敏)することもあります。多くは4時間から72時間持続するといわれています。前兆を認めることがあり、視界にチカチカ·ギラギラした光などが現れることがあり、閃輝暗点といわれています。
緊張型頭痛
頭痛の中で最も多いものと言われています。いわゆる肩こりなどの緊張に伴うものです。一般的には頭の両側に認め、圧迫感や締め付け感で表現されます。日常動作では悪化することはなく、吐き気等は伴わないものの、光や音で悪化することがあり(光過敏·音過敏)、数日間持続することもあります。長時間の事務作業や運転など、ストレスなどが影響します。
群発頭痛
群発頭痛は、文字通りある一定の期間に群発して起きる頭痛です。群発地震を想像していただくとわかりやすいと思います。およそ1~2ヶ月程度の一定期間に群発して起こり、そのほかの期間では全く症状がありません。群発期間中は1日に数回起こり、数十分から数時間持続します。痛みは、頭の片側だけに起こり、目をえぐられるような痛みと表現されます。男性に多く、飲酒が誘引となることもあります。
 

めまい

めまい症状の女性

人間は、バランス感覚を保つための作業を主に耳と脳で行なっています。具体的には、バランス感覚をつかさどる器官には三半規管、耳石器、前庭神経、脳(脳幹、視床、大脳皮質)があります。ですから、これらのどこが障害されてもめまいが起こります。

また、これら以外にもめまい症状を起こす病気が存在するので注意が必要です。
当院では、初期治療を行うとともに、必要があれば耳鼻科専門医への紹介も行っております。

良性発作性頭位めまい症
めまいの中で比較的よく見られる病気です。症状としては、頭を動かした時に自分自身か周囲のものが動いたり回転したりしているような感覚が数十秒起こり、自然に改善します。頭を動かさず安静にしていれば症状は起こりません。吐き気を感じ嘔吐することもあります。中高年以降の女性に多く、原因としては耳の中にある感覚器の上に乗っている耳石(じせき)と言われるカルシウムの粒がそこからはがれることが主な原因です。
メニエール病
突然、自分自身や周囲のものが動いたり回転したりしているようなめまいを感じます。日常生活に支障をきたすほどで、吐き気や嘔吐を伴います。このような症状が通常は数分から数時間続きます。発作前から耳鳴りや難聴、耳の閉塞感と圧迫感を感じます。原因としては、内耳という場所にある液体の量が過剰になることで起こると考えられています。中年女性に多いと言われています。
前庭神経炎
風邪などのウイルス性疾患を起こした後、1~2週間したところで、突然、自分自身や周囲のものが動いたり回転したりしているようなめまいを感じます。最初はとても激しいですが、数週間かけて徐々に軽快していくことが多いです。原因は不明とされていますが、風邪などによるウイルスが関係していると考えられています。
起立性低血圧
高齢者に多く、特に血圧の薬を飲んでいる方にもよく見られるものです。症状としては、いわゆる『立ちくらみ』で、急に立ち上がったり動いたりした時にふらつく感じ、意識を失いそうになる感覚となります。普段からの血圧チェックをすることと、それに基づき血圧の薬の種類や量が適切であるかをかかりつけ医と一緒に考えていくことが重要で、必要であれば薬の減量等を考慮します。

その他、脳が原因のめまいとしては、脳梗塞や脳出血、脳腫瘍などがあります。

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