スギ花粉症およびダニアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法
ALLERGY
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スギ花粉症とは、スギの花粉が原因となりアレルギー症状を起こす病気です。主な症状としては、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどがあります。
自然に治癒することは少なく、最近では発祥の時期が低年齢化していることも指摘されており、日本人の4人に一人はスギ花粉症であると言われています。
ダニアレルギー性鼻炎とは、通年性アレルギー性鼻炎の一つで、その原因がダニであるものをいいます。
通年性アレルギー性鼻炎とは、ダニや犬猫の毛、カビなどが原因となり、季節を問わずアレルギー症状を起こす病気です。
花粉症と同様に症状としては、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどがあります。
舌下免疫療法とは、アレルギーの原因となる「アレルゲン」をごく少量から投与することにより、いわゆるその「アレルゲン」に対して「慣れる」ことにより症状を和らげる、もしくは症状を抑えることが期待できる治療です。
まずは、スギ花粉症およびダニアレルギーのあることを検査で確認する必要があります。当院では、採血等にてこの検査を行い、スギ花粉症もしくはダニアレルギーの確定診断を行い、適応のある方のみ治療を進めて行きます。
スギ花粉症およびダニアレルギーに対する舌下免疫療法は、ともにスギ花粉およびダニを原料とするエキスから作られた薬を用いて行います。
舌下免疫療法で使われる薬は非常に吸湿性が高く、柔らかいものです。
内服方法は、舌下、つまり舌の下に薬を置き、そのまま1分間唾を飲み込まずに待ち、その後唾を飲み込み内服する方法をとります。また内服後は5分間は飲食やうがいを避ける必要があります。
治療は、初めの一週間は少量を、その後は通常量を投与します。
また、初回の投与は重大な副作用の発言の有無を確かめるため医療機関で行う必要があり、処方時に医師の目前で内服し、その後30分間医療機関内で観察することが必要です。
開始初期は、下記のような副作用が出やすいこともあり、当院では開始1週間後に受診していただき診察の上、治療継続の可否を判断しております。
通院は定期的に行うことが重要です。
アレルギー症状の有無にかかわらず、毎日の内服が必要となります。
通常のアレルギーを抑える薬による治療とは異なり、すぐに効果が出るというものではなく、治療期間は、3〜5年が推奨されており、治療を開始して数ヶ月あたりから効果が期待されます。
重大な副作用として、非常に稀ではありますが、アナフィラキシーショックが報告されています。
これは、薬に対する急性の過敏反応です。
多くの場合、内服後30分以内に息苦しさや血圧低下などのショック、蕁麻疹などの皮膚の症状などが現れます。
このため、初回の投与は医療機関内で行う必要があり、当院ではこの場合に備えた緊急薬品も常備し対応しております。
そのほかの副作用としては、以下のものがあります。
これらについては、アレルギーに対応した薬で対処可能な場合もあります。
特に、スギ花粉症に対する舌下免疫療法においては、スギ花粉飛散期に変化が起こる可能性があるため注意が必要です。
舌下免疫療法を行なっている間も、スギ花粉やダニをこれまで通り回避することは必要です。
例えば、常にスギ花粉情報に注意し、外出時のマスクやメガネ、窓の戸締り、洗濯物を外に干さないなどの基本的な花粉症対策は重要です。ダニに関しても同様に、室内や寝具の掃除などをこれまで通り心がけることを忘れてはいけません。