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第1673回:院長ブログ:体重より腹囲が重要?お腹まわりからわかる内臓脂肪リスク ~「体重は変わらないのにウエストが増えた」を見逃さない~

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第1673回:院長ブログ:体重より腹囲が重要?お腹まわりからわかる内臓脂肪リスク ~「体重は変わらないのにウエストが増えた」を見逃さない~

この記事でわかること

  • なぜ肥満・メタボでは腹囲を見るのか
  • 体重・BMIと腹囲の違い
  • 腹囲から何がわかるのか
  • 日本のメタボ基準における腹囲の考え方
  • 正しい腹囲の測り方
  • 「体重は同じなのに腹囲が増えた」が重要な理由

体重だけを見ていませんか?

体重管理をしていると、

「昨日より500g増えた」

「1kg減った」

と、どうしても体重計の数字に目が向きます。

もちろん体重は大切な指標です。

しかし、肥満・メタボを考える場合には、もう一つぜひ確認してほしい数字があります。

それが、

腹囲(ウエスト周囲長)

です。

特に中年以降では、

「体重はほとんど変わっていないのに、お腹だけ出てきた」

という変化が珍しくありません。

この変化には、筋肉量の減少や脂肪分布の変化、内臓脂肪の増加などが関係している可能性があります。


なぜ腹囲が重要なの?

理由は、腹囲が内臓脂肪の蓄積を推測する簡便な指標になるからです。

内臓脂肪とは、お腹の中で腸などの臓器の周囲に蓄積する脂肪です。

内臓脂肪が過剰になると、前回まで解説してきたインスリン抵抗性などを介して、

高血糖
血圧上昇
脂質代謝異常
脂肪肝

などにつながりやすくなります。

そして、こうしたリスクが複数重なる状態がメタボリックシンドロームです。

つまり腹囲を見る目的は、

「見た目が太っているか」を判定するためではなく、内臓脂肪に関連する健康リスクを見つけるため

なのです。


体重・BMI・腹囲は何が違う?

この3つは似ていますが、それぞれ見ているものが違います。

体重

体全体の重さです。

脂肪だけでなく、筋肉、骨、水分などすべてを含みます。

BMI

身長と体重から計算した体格の指標です。

肥満をスクリーニングするのに便利ですが、筋肉と脂肪を区別できません。

腹囲

お腹まわりの大きさを測定し、内臓脂肪蓄積を推測する手がかりとして利用します。

つまり、

体重=どれくらい重いか
BMI=身長に対してどれくらい重いか
腹囲=お腹まわりに脂肪が蓄積している可能性

という違いがあります。

どれか一つだけで健康状態を決めるのではなく、組み合わせて考えることが大切です。

 

 

 

 

 

 

【図1:体重・BMI・腹囲は何が違う?― 3つの指標が教えてくれること】


日本のメタボ診断では腹囲が重要

日本のメタボリックシンドローム診断基準では、腹囲が必須項目になっています。

基準は、

男性:85cm以上
女性:90cm以上

です。

そして腹囲がこの基準を満たしたうえで、

血圧
血糖
脂質

の3項目のうち2項目以上が基準に該当すると、メタボリックシンドロームと診断されます。

ただし、ここで重要なことがあります。

腹囲が85cm・90cmを超えた=それだけでメタボ

ではありません。

また、

基準未満=生活習慣病の心配がない

という意味でもありません。

腹囲は、あくまで健康リスクを評価するための重要な手がかりの一つです。


腹囲はどう測ればいい?

腹囲は、測り方によって数字が変わります。

日本の特定健診などでは、基本的に立った状態で、軽く息を吐いたときのへその高さで水平に測定します。

ポイントは、

お腹をへこませない
メジャーを強く締めつけない
床と水平にする
できるだけ同じ条件で測る

ことです。

自宅で経過を見る場合にも、毎回条件が大きく違うと比較しにくくなります。

「朝は80cm、夕食後は83cm」といった一回ごとの違いに一喜一憂するより、

同じ条件で長期的な変化を見る

ことの方が重要です。


体重が同じなのに腹囲が増えるのはなぜ?

たとえば数年前も現在も体重70kgだったとします。

一見すると、

「体重が変わっていないから大丈夫」

と思うかもしれません。

しかし、

数年前
筋肉が多い+内臓脂肪が少ない

現在
筋肉が減った+内臓脂肪が増えた

という変化が起きれば、体重が同じでも腹囲は増える可能性があります。

特に中年以降では、

筋肉量↓ + 身体活動量↓ + 内臓脂肪↑

という変化が起こりやすくなります。

だからこそ、

「体重が変わっていないから安心」ではなく、体型がどう変わったかを見る

ことが重要なのです。


BMIが正常でも腹囲が大きいことがある

BMIが25未満だからといって、内臓脂肪が少ないとは限りません。

体重がそれほど多くなくても、

  • 運動不足
  • 筋肉量の低下
  • 飲酒習慣
  • 食生活の乱れ
  • 加齢による体組成の変化

などによって、お腹まわりに脂肪が蓄積することがあります。

このような場合、

BMIだけを見ると問題がないように見える

ことがあります。

そのため、

BMI+腹囲

を組み合わせることで、体重だけでは気づきにくい変化を見つけやすくなります。


腹囲が増えてきたら、血液検査も確認

腹囲の増加だけで病気を診断することはできません。

しかし、腹囲が増えてきた場合には、健診結果のほかの項目も確認してみましょう。

特に、

血圧
空腹時血糖
HbA1c
中性脂肪
HDLコレステロール
LDLコレステロール
肝機能

などです。

たとえば、

「腹囲が増えた」

だけでなく、

「血圧も上がった」
「HbA1cも上がった」
「中性脂肪も高くなった」

という変化が同時に起きていれば、内臓脂肪蓄積を背景とした代謝異常を考える重要な手がかりになります。

【図2:腹囲が増えたら一緒にチェック!― 血圧・血糖・脂質・肝臓の変化】


腹囲は「何cm減らすか」だけが目的ではない

メタボと言われると、

「とにかく85cm未満にしなければ」

と考える方がいます。

しかし、健康管理の目的は診断基準の数字をクリアすることだけではありません。

大切なのは、

内臓脂肪を減らす
血圧を改善する
血糖を改善する
脂質を改善する
筋肉を維持する

ことです。

腹囲が少し減り、それとともに血圧や血糖、中性脂肪などが改善していれば、健康上意味のある変化と考えられます。


毎日測る必要はある?

腹囲は体重ほど頻繁に測定する必要はありません。

家庭で経過を見るのであれば、定期的に同じ条件で測って推移を見る方法で十分です。

重要なのは、

「今日何cmだったか」より、「数か月・数年でどう変化しているか」

です。

特に健康診断の結果が残っている方は、

体重・BMI・腹囲

を過去5年程度並べてみると、非常にわかりやすくなります。

そこへ、

血圧・HbA1c・中性脂肪

などを重ねると、生活習慣の変化が数字として見えてくることがあります。


腹囲を減らすには何をすればいい?

内臓脂肪を減らす基本は、特別な方法ではありません。

① 食生活を見直す

食べる量だけでなく、糖質の摂り方、間食、甘い飲み物、アルコールなどを振り返ります。

② 日常の活動量を増やす

ウォーキングだけでなく、階段、買い物、家事など日常生活で動く機会を増やします。

③ 筋肉を守る

減量中に筋肉まで落とさないよう、筋力トレーニングやタンパク質摂取も意識します。

④ 睡眠を整える

睡眠不足や生活リズムの乱れは、食欲や体重管理にも影響します。

一時的に腹囲だけを減らすことではなく、続けられる生活習慣を作ることが重要です。


当院の考え方

肥満・メタボの診療では、体重やBMIだけではなく腹囲の変化を重視します。

特に、

「体重は変わらないのにお腹だけ出てきた」

「数年前よりベルトの穴が変わった」

「腹囲と一緒に血圧やHbA1cも上がってきた」

という場合には、生活習慣全体を一度見直す価値があります。

健診で腹囲や生活習慣病関連の項目を指摘されたら、まずは内科クリニックへご相談ください。

必要に応じて専門医療機関へご紹介します。


まとめ

腹囲は、内臓脂肪蓄積を推測するための簡便で重要な指標です。

体重やBMIだけでは、

脂肪がどこについているのか

まではわかりません。

だから肥満・メタボを考えるときには、

体重 + BMI + 腹囲

を組み合わせて見ることが大切です。

さらに、

血圧・血糖・脂質・肝機能

まで一緒に見ることで、内臓脂肪が健康へ与えている影響をより総合的に評価できます。

体重が変わっていなくても、

「ウエストが増えてきた」

という変化は、体からの大切なサインかもしれません。


当院からのメッセージ

健康診断の結果が手元にあれば、今年の腹囲だけを見るのではなく、過去数年分を並べてみてください。

体重はほとんど同じなのに、

腹囲 → 血圧 → 血糖 → 中性脂肪

が少しずつ上昇していることがあります。

一つの数字ではなく、数字の「流れ」を見ることが生活習慣病予防では大切です。


院長のワンポイントアドバイス

体重計の数字だけでなく、ベルトの穴も健康指標の一つだと思ってください。

「最近、一つ外側になった」

という変化は非常にわかりやすいサインです。

体重だけを減らすのではなく、

内臓脂肪を減らしながら筋肉を守る。

これが中年以降の肥満・メタボ対策では重要です。


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家庭用の体組成計に表示される「体脂肪率」。

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