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第1679回:院長ブログ:「食べていないのに太る」は本当?見落としやすいカロリーの正体 ~「食事量は少ないのに痩せない」ときに確認したいこと~

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第1679回:院長ブログ:「食べていないのに太る」は本当?見落としやすいカロリーの正体 ~「食事量は少ないのに痩せない」ときに確認したいこと~

この記事でわかること

  • 本当に「食べていないのに太る」ことはあるのか
  • 自分の食事量を少なく見積もりやすい理由
  • 見落としやすい飲み物・間食・調味料
  • 外食で摂取量が増えやすい理由
  • 「一口だけ」が積み重なる影響
  • 食べていないのに体重が増えるとき、病気を考えるケース
  • 実際の摂取量を把握する簡単な方法

「先生、本当に食べていないんです」

肥満の診療では、よく聞く言葉があります。

「そんなに食べていないのに太るんです」

朝食は軽め。

昼食も普通。

夕食もそれほど多くない。

それなのに体重が減らない。

本人としては、本当に「食べていない」という感覚なのです。

では、人間は食べていなくても太るのでしょうか?

基本的には、長期的な体脂肪の増加には、摂取と消費のエネルギーバランスが関係します。

ただし問題は、

「自分が食べていると思っている量」と「実際に摂取している量」が一致しているとは限らない

ことです。


食事の記憶は意外とあいまい

「昨日、何を食べましたか?」

と聞かれると、

朝:トースト
昼:そば
夜:焼き魚とご飯

と答えるかもしれません。

ところが詳しく聞くと、

朝のカフェラテ
職場でもらったお菓子
午後のジュース
料理中の味見
夕食時のお酒
食後のアイス

などが加わることがあります。

本人にとってこれらは、

「食事」ではない

ため、食べたものとして記憶されにくいのです。

しかし、体にとってはすべて摂取したエネルギーです。


見落とし① 飲み物

最も見落としやすいものの一つが飲み物です。

たとえば、

砂糖入りコーヒー
カフェラテ
ジュース
スポーツドリンク
乳飲料
甘い紅茶
アルコール

などです。

液体は固形物よりも「食べた」という感覚が弱いため、摂取量として意識されにくい傾向があります。

「間食はしていません」

という方でも、甘い飲み物を何回も飲んでいることがあります。

特に毎日の習慣になっている飲み物は、一度確認してみましょう。


見落とし② 「ほんの一口」の間食

クッキーを1枚。

チョコレートを少し。

職場でもらったお菓子。

子どもの残した料理。

料理中の味見。

一回一回は少量なので、

「食べたうちに入らない」

と思いやすいものです。

しかし、こうした小さな摂取が一日に何度も繰り返されれば、合計は無視できなくなることがあります。

問題なのはお菓子を食べること自体ではなく、

自分がどのくらい食べているのか把握できていないこと

です。


見落とし③ 調味料・ドレッシング

「野菜をたくさん食べています」

という方でも、注意したいのがドレッシングです。

ほかにも、

マヨネーズ
ごまだれ
バター
オイル
ソース
クリーム系の調味料

などは、使用量によっては摂取エネルギーが増えます。

特に油脂は少量でもエネルギー密度が高いため、

「健康的な食材を食べている=摂取エネルギーが少ない」

とは限りません。

サラダそのものだけでなく、何をどのくらいかけているかも見てみましょう。

 

 

 

 

 

 

【図1:「食べていないのに太る?」見落としやすい6つの摂取源 ― 飲み物・間食・調味料・外食・お酒・つまみ食い】


見落とし④ 外食

外食では、自宅で作る食事よりも、

油
砂糖
ソース
ドレッシング

などの量を把握しにくくなります。

見た目は同じ「野菜炒め」でも、家庭料理と外食では使われている油の量が違うことがあります。

また、

大盛り
セットメニュー
デザート
飲み物

などが自然に追加されることもあります。

外食が悪いわけではありません。

ただし、外食が多い方は、自分が想像している以上に摂取量が多くなっていないかを確認する必要があります。


見落とし⑤ 週末

平日はかなり節制している。

でも、土日は自由に食べる。

このパターンもよくあります。

平日に作ったエネルギーの赤字を、週末の外食・飲酒・間食などで取り戻してしまえば、一週間全体では体重が減りにくくなります。

体重管理は、

月曜日から金曜日だけ

ではなく、

一週間単位

で考えることが大切です。


見落とし⑥ お酒とおつまみ

前回解説した通り、アルコールそのものにもエネルギーがあります。

さらに、

枝豆だけのつもりが唐揚げも食べた。

最後にラーメンを食べた。

帰宅してからもう一杯飲んだ。

ということがあります。

本人の記憶には、

「夕食は軽く済ませた」

と残っていても、飲酒を含めた一晩全体では摂取量が多い場合があります。


「ヘルシーな食品」でも量が増えれば別

健康によいイメージのある食品にも注意が必要です。

たとえば、

ナッツ
アボカド
チーズ
オリーブオイル

など。

これらを「悪い食品」と考える必要はありません。

ただし、

健康によい=いくら食べてもよい

ではありません。

体重管理では食品の質だけでなく、量も重要です。


逆に「食べているのに食べていない」と感じる理由

現代では、食事以外の摂取機会が非常に多くあります。

コンビニ
自動販売機
職場のお菓子
カフェ
デリバリー
テレビを見ながらの間食

などです。

そのため、

朝・昼・夕の3食は少ない

のに、

3食以外で少しずつ摂取している

ということが起こります。

体重管理では、

「食事を何回食べたか」

ではなく、

24時間で何を口にしたか

という視点が役立ちます。


体重が増えた=脂肪が増えた、ではない

ここも大切です。

体重は脂肪だけで決まりません。

体内の水分量
塩分摂取
便通
食事量
女性では月経周期

などによって短期間に変動します。

たとえば、前日より体重が1kg増えたからといって、

一晩で体脂肪が1kg増えた

とは限りません。

毎日の小さな変動よりも、数週間から数か月の体重の傾向を見ることが重要です。


本当に食べていないのに太る病気はある?

体重増加の大部分は生活習慣やエネルギーバランスと関係しますが、医学的な原因が隠れていることもあります。

たとえば、

甲状腺機能低下症
一部の内分泌疾患
むくみを起こす病気

などです。

また、

ステロイド薬
一部の精神科領域の薬剤
一部の糖尿病治療薬

など、薬剤が体重増加に関係することもあります。

したがって、

食生活が変わっていないのに急に体重が増えた

むくみ、強い倦怠感、寒がりなど他の症状もある

という場合には、単純に「食べすぎ」と決めつけず、医療機関で確認することが大切です。


まず3日だけ「全部」記録してみる

「そんなに食べていないのに痩せない」

という方におすすめなのが、食事記録です。

長期間続ける必要はありません。

まず3日程度、

口に入れたものを全部記録する

ところから始めます。

ポイントは、

朝食・昼食・夕食だけではなく、

飲み物
お菓子
味見
お酒
おつまみ
調味料

まで記録することです。

可能であれば、スマートフォンで食べる前に写真を撮るのも有効です。

食べ終わった後に思い出して記録するより、抜けが少なくなります。


「記録するだけ」で行動が変わることも

食事記録をすると、

「こんなにカフェラテを飲んでいた」

「夕食後に毎日何か食べていた」

「週末だけかなり食べていた」

など、自分では気づかなかった習慣が見えてきます。

ここで大切なのは、

全部やめることではありません。

たとえば、

毎日のジュースをやめる
夜のお菓子を減らす
ドレッシングの量を見直す
週末の大盛りを普通盛りにする

など、一番変えやすいところを一つ選ぶだけでも構いません。

【

図2:「食べていないのに痩せない」ときの3日間チェック法 ― 食事・飲み物・間食を見える化】


当院の考え方

「食べていないのに太る」という方に対して、

「もっと食事を減らしてください」

だけでは十分ではありません。

まず、

本当にどのくらい摂取しているのか

を一緒に確認することが重要です。

また、体重増加の経過や症状によっては、甲状腺機能など医学的な原因を確認する必要があります。

体重だけでなく、

腹囲・血圧・血糖・HbA1c・脂質・肝機能

なども合わせて評価し、生活習慣病のリスクを総合的に考えます。

まずは内科クリニックへご相談ください。

必要に応じて専門医療機関へご紹介します。


まとめ

「食べていないのに太る」と感じるときには、

食事以外の摂取

を一度確認してみましょう。

特に見落としやすいのが、

飲み物
間食
調味料
外食
お酒
つまみ食い

です。

そして重要なのは、

「食べすぎているはず」と決めつけることでも、「体質だから仕方ない」と諦めることでもありません。

まず実際の生活を見える化する。

そこから、変えられるポイントを探すことが肥満・メタボ対策の第一歩です。


当院からのメッセージ

食事をかなり減らしているのに体重が落ちない方ほど、さらに食事を減らす前に、

一度、3日間だけ食べたもの・飲んだものを全部記録してみてください。

「減らすべきもの」が主食とは限りません。

意外なところに、毎日積み重なっている摂取源が見つかることがあります。


院長のワンポイントアドバイス

おすすめは、細かいカロリー計算よりもまず、

「食べる・飲む前に写真を1枚撮る」

ことです。

3日後に写真を一覧で見ると、

「こんなに間食していたんだ」

「毎日甘い飲み物を飲んでいる」

など、かなり客観的に自分の食生活を見ることができます。

記憶より記録。

体重が減らない理由を探すとき、とても役立つ方法です。


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