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第1680回:院長ブログ:早食いは太る?「食べる速さ」と肥満の意外な関係 ~何を食べるかだけでなく、「どう食べるか」も見直してみましょう~

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第1680回:院長ブログ:早食いは太る?「食べる速さ」と肥満の意外な関係 ~何を食べるかだけでなく、「どう食べるか」も見直してみましょう~

この記事でわかること

  • 早食いと肥満には本当に関係があるのか
  • なぜ速く食べると食べすぎやすいのか
  • 「満腹になるまで時間がかかる」とはどういうことか
  • よく噛めば必ず痩せるのか
  • 早食いになりやすい生活習慣
  • 今日からできる「ゆっくり食べる」工夫

「食べる量は普通なのに太る」という方へ

肥満対策というと、

何を食べるか
どれくらい食べるか

に注目しがちです。

しかし、もう一つ確認してほしいことがあります。

それが、

「どのくらいの速さで食べているか」

です。

健康診断などで、

「人より食べる速度が速い」

と答える方もいるでしょう。

実際、さまざまな観察研究で、早食いの人では肥満やメタボリックシンドロームが多い傾向が報告されています。

もちろん、

早食い=必ず肥満になる

という意味ではありません。

しかし、体重が増えやすい食習慣の一つとして、食べる速度を見直す価値はあります。


なぜ早食いだと太りやすい?

最もわかりやすい理由の一つが、

満腹感を感じる前に食べ進めやすい

ことです。

食事を始めると、胃腸に食べ物が入り、消化管や脳などの間でさまざまな情報がやり取りされます。

そして徐々に、

「もう十分食べた」

という満腹感が形成されます。

ところが食べる速度が非常に速いと、この調節が十分に働く前に多くの食べ物を口にしてしまう可能性があります。

つまり、

早く食べる
↓
満腹感が追いつかない
↓
食べる量が増えやすい

という流れです。


「満腹になるまで20分」は本当?

よく、

「満腹中枢が働くまで20分かかる」

と言われます。

患者さんにも非常によく知られている表現です。

ただし、人間の満腹感は、

「食事開始から正確に20分たつとスイッチが入る」

という単純な仕組みではありません。

食べ物の量や内容、胃腸からの信号、ホルモン、脳の反応などが複雑に関係します。

したがって、

「必ず20分かければ痩せる」

と考える必要はありません。

大切なのは、

極端な早食いを避け、満腹感を確認しながら食べる時間を作ること

です。


同じ量でも「速く食べる」と満足感が違うことがある

たとえば同じ定食を、

Aさんは10分程度で食べ終える。

Bさんは会話をしながら、ゆっくり食べる。

食べたものが同じでも、食事中に満腹感を認識する時間には違いがあります。

早食いの人では、

「食べ終わったけれど、まだ何か食べたい」

となり、

デザート
追加のおかず
おかわり

につながることがあります。

つまり食べる速度は、その後の追加摂取にも影響する可能性があります。

 

 

 

 

 

 

【図1:早食いするとどうなる?―「食べる速度」と満腹感・食べすぎの関係】


早食いの人は「一口が大きい」ことも

食事速度は単純に噛む回数だけで決まりません。

早食いの方には、

一口の量が多い
次々と口へ運ぶ
十分に飲み込む前に次を準備する
飲み物で流し込む

といった食べ方がみられることがあります。

そのため、

「100回噛まなければ」

と極端な目標を作るより、

一口を少し小さくする

だけでも食べる速度を落としやすくなります。


「よく噛めば痩せる」は本当?

よく噛むことは、食事速度を落とす方法として役立ちます。

しかし、

噛む回数を増やすだけで大幅に体重が減る

と考えるのは適切ではありません。

たとえば、

高エネルギーの食品を大量にゆっくり食べれば、摂取量そのものは多くなります。

つまり、

ゆっくり食べれば何をどれだけ食べてもよい

わけではありません。

肥満対策では、

食事内容+食事量+食べ方

をセットで考えることが重要です。


なぜ現代人は早食いになりやすい?

早食いは「性格」だけで決まるものではありません。

生活環境が大きく関係します。

たとえば、

朝は出勤前で時間がない
昼休みが短い
仕事の合間に急いで食べる
スマートフォンを見ながら食べる
一人で食べることが多い

などです。

特に忙しい方では、

「食事はできるだけ早く済ませるもの」

になっていることがあります。

長年続いた習慣なので、本人は自分が早食いだと気づいていない場合もあります。


スマホを見ながら食べるのも注意

食事中に、

スマートフォン
テレビ
パソコン

などを見ていると、食事そのものへの注意が薄れます。

すると、

何をどのくらい食べたのか

を意識しにくくなることがあります。

動画を見ながら、

気づいたらお菓子の袋が空になっていた。

という経験がある方もいるでしょう。

食事をゆっくり楽しむためには、食事そのものに意識を向けることも大切です。


自分が早食いか確認してみよう

次のような習慣がないでしょうか。

  • 周囲の人より先に食べ終わる
  • 一口が大きい
  • ほとんど噛まずに飲み込む
  • 食事中に箸を置くことがない
  • 麺類や丼ものを数分で食べる
  • 食後すぐ「まだ食べられる」と感じる
  • 忙しくて食事時間を削っている

複数当てはまる場合は、食事速度を少し意識してみる価値があります。


今日からできる「ゆっくり食べる」7つの方法

① 一口を少し小さくする

非常に簡単ですが効果的です。

一口量が小さくなると、自然に口へ運ぶ回数が増えます。


② 一度、箸を置く

ずっと箸を持っていると、無意識に次々と口へ運びやすくなります。

数口ごとでも構いません。

飲み込んでから次の一口へ進む

ことを意識します。


③ 最初から大盛りにしない

早食い+大盛りは、満腹感が追いつく前に多く食べてしまいやすい組み合わせです。

まず普通量にして、食後の満腹感を確認します。


④ 噛みごたえのある食材を取り入れる

肉・魚・野菜などを組み合わせると、自然に咀嚼する機会が増えます。


⑤ 「ながら食べ」を減らす

スマートフォンや仕事をしながらではなく、できる範囲で食事に集中します。


⑥ 食事時間を確保する

「5分しかない」という状況では、ゆっくり食べること自体が難しくなります。

特に昼食時間の確保は重要です。


⑦ 最初の5分だけ意識する

いきなり食事全体をゆっくりにしようとすると疲れてしまいます。

まずは、

最初の5分だけ、一口を小さくしてゆっくり食べる

ところから始めてもよいでしょう。

【図2:今日からできる「早食い改善」7つの方法 ― 一口・箸・ながら食べを見直そう】


「食事時間を長くする」こと自体が目的ではない

30分かければ健康。

10分なら不健康。

という単純な話ではありません。

重要なのは、

自分の満腹感を確認する余裕があるか

ということです。

時計を見ながら無理に時間を延ばす必要はありません。

食べる速度を少し落とし、

「まだ空腹なのか?」

「もう十分なのか?」

を感じながら食べられることが大切です。


早食いだけ直せば痩せる?

早食いを改善しただけで、すべての人が大きく減量できるわけではありません。

肥満には、

食事内容
総摂取量
身体活動
睡眠
飲酒
ストレス
薬剤
遺伝的要因

など、さまざまな要因が関係します。

ただし早食いは、比較的取り組みやすく、毎日の食事で繰り返される習慣です。

一日3回の食事なら、一年間で非常に多くの改善機会があります。

だからこそ、肥満対策の一つとして見直す価値があります。


当院の考え方

肥満・メタボの診療では、

「何を食べていますか?」

だけではなく、

「どのように食べていますか?」

も重要です。

同じ食事内容でも、

早食い
大盛り
ながら食べ
夜遅い食事

などが重なれば、食べすぎにつながりやすくなります。

体重や腹囲が増えてきた場合には、食事内容だけでなく食べ方そのものを一度振り返ってみましょう。

まずは内科クリニックへご相談ください。

必要に応じて専門医療機関へご紹介します。


まとめ

早食いは、多くの研究で肥満やメタボとの関連が示されています。

その背景には、

満腹感を感じる前に食べ進めやすい
一口量が多くなりやすい
追加で食べやすい

などの可能性があります。

ただし、

「20分かければ必ず痩せる」
「何十回噛めば痩せる」

という単純な話ではありません。

重要なのは、

食べる速度を少し落として、自分の満腹感を確認できる食べ方にすること。

肥満対策は「何を食べるか」だけでなく、**「どう食べるか」**も大切です。


当院からのメッセージ

早食いは、長年続いていると自分では気づきにくい習慣です。

一度、家族や同僚と食事をしたときに、

「自分はいつ食べ終わっているか」

を確認してみてください。

いつも一番最初なら、食事内容を大きく変える前に、食べる速度を少し落とすことから始めてみてもよいでしょう。


院長のワンポイントアドバイス

早食いを直そうとして、

「一口30回噛む!」

と厳密に決める必要はありません。

まずおすすめしたいのは、

「一口を少し小さくする」
「飲み込んでから次の一口へ」

この2つです。

シンプルですが、毎日続けやすい方法です。

肥満対策は、完璧な方法より続けられる方法を選びましょう。


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