第1683回:院長ブログ:間食は太る?お菓子・ナッツ・果物との上手な付き合い方 ~「健康によさそう」だけで選ばない。糖質と量まで考えましょう~
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「ダイエットを始めたので、お菓子を全部やめました」
「間食は絶対にしない方がいいですよね?」
肥満・メタボが気になると、まず間食を禁止しようとする方は少なくありません。
確かに、間食によって一日の摂取エネルギーや糖質量が増えているのであれば、見直すことは重要です。
しかし、
間食をすること自体が肥満の原因とは限りません。
大切なのは、
何を食べるか
どのくらい食べるか
どのくらいの頻度で食べるか
なぜ食べるのか
です。
さらに当院では、肥満・メタボ対策として糖質の摂り方も重要だと考えています。
「健康によい食品だから大丈夫」というイメージだけではなく、実際に含まれる糖質と食べる量を見ることが大切です。
たとえば、同じ「間食をする人」でも、
Aさんは、夕食が遅くなる日に夕方少量を食べる。
Bさんは、仕事中にお菓子を何度もつまみ、夕食後にもアイスを食べる。
この2人では意味がまったく違います。
肥満対策では、
「間食した・しなかった」
という二択ではなく、一日全体の食生活の中で間食がどのような役割を持っているかを見る必要があります。
特に注意したいのが、
空腹ではないのに習慣で食べている間食
です。
たとえば、
仕事を始めるとお菓子を開ける
コーヒーには必ずクッキーをつける
テレビを見るとスナック菓子を食べる
夕食後は必ずアイスを食べる
などです。
一回の量は少なくても、毎日繰り返されれば摂取量は積み重なります。
しかも本人にとっては「食事」ではないため、自分がどれくらい食べているのか認識しにくいのが特徴です。
間食を考えるときに区別したいのが、
空腹(hunger)と食欲(appetite)
です。
昼食から何時間も経ち、お腹が空いて食べたい。
これは生理的な空腹です。
一方、
お菓子を見たから食べたい
イライラしたから食べたい
暇だから食べたい
食後だけれど甘いものが食べたい
という場合、必ずしもエネルギー不足による空腹ではありません。
間食する前に一度、
「今、本当にお腹が空いている?」
と考えてみましょう。
これだけでも、自分の食習慣に気づきやすくなります。

【図1:その間食、本当に空腹?―「お腹が空いた」と「食べたい」を見分ける】
肥満対策だからといって、
「一生お菓子を食べてはいけない」
と考える必要はありません。
極端な制限は長続きせず、その反動で大量に食べてしまう人もいます。
大切なのは、量と頻度を自分で管理できることです。
特に大袋のお菓子を開け、そのままテレビやスマートフォンを見ながら食べていると、どのくらい食べたのかわからなくなります。
食べるのであれば、
最初に食べる量を決め、小皿などに取り分ける
ことをおすすめします。
果物にはビタミン、ミネラル、食物繊維などが含まれています。
一方で忘れてはいけないのが、
果物には果糖(フルクトース)を含む糖質が含まれている
ということです。
果糖は主に肝臓で代謝されます。果糖を含む糖質を過剰なエネルギー摂取の一部として大量に摂取する生活が続けば、体重増加や中性脂肪の上昇、脂肪肝などにつながる可能性があります。
したがって当院では、
「果物は健康によいから、積極的にたくさん食べましょう」
とは考えていません。
特に、
肥満・メタボがある
中性脂肪が高い
脂肪肝がある
血糖値・HbA1cが高い
糖質制限に取り組んでいる
という方では、果物も糖質を含む食品の一つとして考える必要があります。
もちろん、適量の丸ごとの果物をすべて禁止する必要はありません。
一方で、
「健康のために毎日たくさん果物を食べなければならない」
というものでもありません。
肥満・メタボ対策では、果物だから無条件に積極摂取するのではなく、その人の糖代謝や食生活に合わせて量を考えることが大切です。
「果物100%だから健康的」
というイメージにも注意が必要です。
果汁ジュースは、丸ごとの果物と比べて短時間に摂取しやすく、咀嚼も必要ありません。
スムージーも内容や量によっては、複数の果物を一度に摂取することになります。
ドライフルーツは水分が減っているため、少量でも糖質を摂取しやすくなります。
つまり、
「果物だから大丈夫」
「砂糖を加えていないから大丈夫」
とは限りません。
肥満・メタボや糖質制限を考える場合には、果物由来の糖質も糖質として考えることが重要です。
ナッツは、
不飽和脂肪酸
食物繊維
ビタミン
ミネラル
などを含み、間食として利用しやすい食品です。
しかし、
「ナッツ=すべて低糖質」
「健康によいから、いくら食べても大丈夫」
ではありません。
まずナッツは脂質を多く含むため、少量でもエネルギー量が比較的高い食品です。
袋を机の上に置いて何度もつまんでいれば、想像以上の量を食べてしまうことがあります。
そしてもう一つ重要なのが、ナッツの種類によって糖質量が違うことです。
糖質制限中の方に特に知っていただきたいのが、カシューナッツです。
カシューナッツはナッツ類の中では、アーモンド、くるみ、マカダミアナッツなどと比較して糖質を多く含む傾向があります。
そのため、
「ナッツだから低糖質だろう」
と考えてカシューナッツを大量に食べるのはおすすめできません。
糖質制限中にナッツを間食として利用するのであれば、
① ナッツの種類
② 一回に食べる量
③ 商品の栄養成分表示
④ 味付けや糖衣の有無
まで確認するとよいでしょう。
特に、
ハニーロースト
キャラメリゼ
砂糖がけ
などの商品は、ナッツそのものに加えて糖質が追加されています。
「ナッツなら安心」ではなく、「種類と量を選ぶ」。
これがポイントです。
これもよくある落とし穴です。
糖質を抑えた食品は、糖質制限を行ううえで役立つことがあります。
しかし、
糖質オフ=エネルギーゼロ
ではありません。
脂質やタンパク質にもエネルギーがあります。
また、
「低糖質だから大丈夫」
という安心感から、結果として食べる量が増えてしまうこともあります。
糖質制限は、表示だけを見て無制限に食べる方法ではありません。
ヨーグルトも、すべて同じではありません。
無糖のヨーグルトと、砂糖やシロップなどを加えた製品では糖質量が異なります。
さらに、
ヨーグルト
+はちみつ
+グラノーラ
+果物
と追加していけば、
「健康的な朝食・間食」というイメージとは別に、糖質量がかなり増える
ことがあります。
食品のイメージではなく、実際に何を組み合わせているかを見ることが大切です。
間食は必ずしも悪いものではありません。
たとえば、
昼食が12時
帰宅が22時
という生活なら、夕食まで非常に長い時間が空きます。
その結果、帰宅後に強い空腹から大食い・早食いになってしまう方もいます。
その場合には夕方に、
ゆで卵
無糖ヨーグルト
糖質量を確認した適量のナッツ
などを利用し、夕食の一部を前倒しする方法もあります。
これは以前の記事で紹介した分食という考え方です。
ただし、
夕方に食べたうえで、帰宅後もいつも通り食べれば単なる追加
になります。
一日の食事量の中で調整することが重要です。
夕食を十分食べたのに、
21時にお菓子。
22時にアイス。
23時にお酒とおつまみ。
こうした場合には、
本当に空腹なのか?
を一度考えてみましょう。
夜の間食には、
ストレス
習慣
テレビやスマートフォン
飲酒
睡眠不足
などが関係していることがあります。
食品だけを低糖質商品へ変更しても、「毎晩何かを食べる」という習慣そのものが残っていれば、十分な改善につながらない場合があります。
「お腹が空いた」のか「食べたい」のかを区別します。
食べる量を最初に決めて取り分けます。
ジュース、甘いカフェラテなども糖質・エネルギー源です。
果物やナッツも例外ではありません。
健康のために積極的に大量摂取する必要はなく、特に肥満・メタボ、脂肪肝、糖代謝異常がある方では量を意識します。
特にカシューナッツは比較的糖質が多いため、糖質制限中は量に注意します。
空腹ではなく習慣で食べていないか確認しましょう。

【図2:肥満・メタボ対策「間食7か条」― 果物の果糖・カシューナッツの糖質にも注意】
今回、最も伝えたいポイントの一つです。
果物。
ナッツ。
ヨーグルト。
どれも一般的には「健康によい食品」というイメージがあります。
しかし、
健康によい食品=肥満・メタボの人が積極的に無制限に食べるべき食品
ではありません。
果物には果糖を含む糖質があります。
ナッツには種類によって糖質量の違いがあり、脂質も多く含まれます。
ヨーグルトも加糖・無糖で違います。
だからこそ、
食品のイメージではなく、中身を見る。
これが重要です。
当院では肥満・メタボの食事指導において、糖質の摂りすぎを見直すことを重視しています。
そのため、
「お菓子を果物に変えたから大丈夫」
「ナッツなら低糖質だから好きなだけ食べてよい」
とは考えません。
果物なら果糖を含む糖質と量。
ナッツなら種類ごとの糖質量と食べる量。
飲み物なら液体から摂取している糖質。
こうした「気づきにくい糖質」まで含めて食生活を見ることが大切です。
一方で、極端な禁止ばかりでは長続きしません。
体重だけでなく、
BMI・腹囲・血圧・血糖・HbA1c・中性脂肪・LDLコレステロール・肝機能
などを総合的に評価し、その方に合った方法を考えます。
肥満・メタボが気になる場合は、まずは内科クリニックへご相談ください。
必要に応じて専門医療機関へご紹介します。
間食を考えるとき、
「お菓子を食べなければ大丈夫」
ではありません。
果物には果糖を含む糖質があります。
ナッツは種類によって糖質量が異なり、カシューナッツは比較的糖質が多いため、糖質制限中は特に量に注意が必要です。
さらに、低糖質食品であっても、量が増えればエネルギー摂取は増えます。
肥満・メタボ対策では、
何を食べるか
どのくらい食べるか
いつ食べるか
なぜ食べるか
をセットで考えましょう。
そして、
「健康によさそうだから積極的にたくさん食べる」
という発想から、
「自分の代謝状態に合わせて、食品の中身と量を選ぶ」
という考え方へ変えていくことが大切です。
間食をすべて禁止する必要はありません。
しかし、
「果物だから安心」
「ナッツだから安心」
「糖質オフだから安心」
という思い込みには注意しましょう。
肥満・メタボ対策では、食品の健康イメージではなく、実際の糖質量・食べる量・一日の食事全体を見ることが重要です。
間食を買うときには、パッケージの表面にある、
「ヘルシー」
「自然素材」
「糖質オフ」
といった言葉だけで判断せず、裏側の栄養成分表示を見る習慣をつけてみてください。
そしてナッツなら、種類にも注目してください。
カシューナッツは「ナッツだから低糖質」と思い込まないこと。
果物についても、
「健康によいから積極的に食べるもの」と決めつけず、果糖を含む糖質源の一つとして量を考える。
この2点は、糖質制限を実践するときに覚えておきたいポイントです。
次回はいよいよ、このシリーズの中でも重要なテーマである糖質制限です。
なぜ糖質を減らすと体重が落ちやすいのか。
インスリン、食欲、グリコーゲンと水分、内臓脂肪などの仕組みを整理しながら、単なるカロリー制限との違いも含めて解説します。