第7回:痛風 〜風が吹いても痛い〜
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こんにちは。
船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
痛風と言えば、誰もが知っている生活習慣病です。
原因は尿酸の値の上昇ということはテレビなどでもよく言われており、ご存知の方も多いと思います。
では、尿酸とは私たちにとって完全に悪いものなのでしょうか?
動物の中には、尿酸をさらに別のモノに処理してから体の外に出すものも多くいます。
そうすれば、尿酸が高くなって痛風になるという危険もないわけです。
しかし、私たち人間は、お猿さんから続く進化の過程で尿酸を処理して他のモノとして体の外に出すということをしなくなりました。
これでは尿酸がたまってしまうリスクが出てきます。
なぜ、そのような体にしてしまったのでしょう?
実は、尿酸は私たちの体にとってとても大事な働きをしてくれているのです!
というのも、尿酸は、私たちの体の「錆びる」のを防いでくれているのです。
つまり、よく最近テレビなどでお見かけする「抗酸化作用」とよばれるものです。
そして、尿酸は、私たちの体の中で、最大の抗酸化作用を発揮してくれる物質なのです。
人の老化の原因の一つは、酸化、つまり「さび」です。
とくに、人間は、進化の過程で樹上生活から原野を走り回るようになり、紫外線を多く浴びることから、この紫外線による酸化、つまり「さび」を予防するために尿酸を体の中で分解せずに使うことにしたと言われております。
こう見ると、尿酸はとても大切なものです。
しかし、その量が多くなると痛風という病気を引き起こすのも事実であり、そのコントロールがとても大切です。
では、尿酸が高いと言われたらまずどうするか?
最近は、すぐに薬を出されて、必要以上に下げてしまっているという人も多いようです。
しかし、先ほどの話でお分かり頂けると思いますが、尿酸の下げ過ぎで老化が進む可能性もある訳です。実際、尿酸の低い方に認知症で有名なアルツハイマーが多いという報告もあります。
やはり、薬を使わずに生活改善!
では、どうすべきか?
ビールを控える?肉を控える?
実は、食事をとった結果できる尿酸は、多くても全体の30%程度と言われています。
つまり、そのほかは自分の体が作り出す(体の中で出来る)ということになります。
30%を減らすより、残りの70%をコントロールする方が効果的です。
体の中で作り過ぎ、溜まった尿酸を体の外へ出しにくくしている生活を改善すれば良いのです!
では、尿酸を上げない生活習慣を次回は考えましょう。
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