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第1347回:糖尿病じゃなくても血糖値は気にしよう

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第1347回:糖尿病じゃなくても血糖値は気にしよう

こんにちは。

船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。

 


糖尿病は、初期からしっかりと血糖をコントロールすることで、その後の運命が決まります。

これは、UKPDS80と言われる研究による結果です。

新規に糖尿病を発症した人たちが研究に参加し、10年の月日を経てその状態を調べてみました。

それによると、、、

しっかりと初期に血糖値をコントロールした人たちでは、そうでない人たちに比べて、その後の血糖値の管理が同じぐらいになってしまっても、血管の障害や心筋梗塞、糖尿病に関連する死亡、全ての死亡が明らかに減少していました。

これを「legacy effect(遺産効果)」と言います。

この研究では、最初からしっかりと良い血糖値のコントロールを行っておくことにより、その時の有益性が持続するということから、遺産的な効果が得られるという意味でlegacy effectと名付けています。

 

なぜこのようなlegacy effectがあるのでしょう?

 

これは、血糖値が高い時に起こる恐ろしいことに起因します。

高血糖が続いている状況では、血糖は血中を回る間にたんぱく質と結合し、それはその後「終末糖化産物」と言われるAGEs(Advanced Glycation End Products)に変化します。

これは、一旦形成されると、いわゆる不可逆的な反応なため、体から消し去ることができないのです。

そして、このAGEsがまさに動脈硬化の主因なのです。

というのも、血管の細胞の膜の上には、そのAGEsのくっつく場所(受容体と言います)であるRAGE(Receptor for AGEs)と言われるものがあり、これがAGEsとくっつくことにより動脈硬化の原因となる酸化ストレスや炎症が起こると考えられています。

 

ですから、一旦できてしまって体の中から消失することがないAGEsは作らないようにするべきものなのです。

ということは、早期からのしっかりした血糖コントロールはとても重要なのです。

 

もっというなら、糖尿病になる前から自分の血糖値がどのようになっているのかを、自分の食事内容も含めた生活習慣に照らし合わせて把握し、それにより生活習慣の改善を図ることが大切なのではないでしょうか?

 

みなさん、自分の血糖値って意識したことありますか?

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