第1433回:大動脈解離を治す
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こんにちは。
船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
ネタ切れか?
そう思いましたか?
今日は昨日の続き。
治療とその後です。
『大動脈解離の治療はどうするの?』
大動脈解離の治療は、大動脈のどこが裂けているかによって治療法が異なります。
しかしいずれの場合も迅速な対応が必要です。
まず、解離から心臓から脳への栄養血管を出すまでのところ(上行大動脈と言います)に及んでいる場合(A型大動脈解離)は、基本的には緊急手術となります。
この部位では、1時間に死亡率が1%ずつ上昇すると言われているため、早急に解離した部分を人工血管に置き換える手術(人工血管置換術)を行う適応となります。
また、そうでない場合(B型大動脈解離)は、基本的にはまずは血圧を下げ、安静にする内科的治療が選択されます。それでも集中治療室で24時間血圧を監視し、管理する必要があります。
少しでも破裂や臓器障害の兆候があれば、それに応じた緊急手術となることがあります。
また、最近では、カテーテルを用いたステントグラフト内挿術により治療することもありますが、全ての大動脈解離に行うことは難しく、適応等を慎重に検討する必要があります。
『大動脈解離後に気をつけるべきことは?』
とにかく血圧には注意が必要です。
今後再度大動脈解離を起こさないためには、血圧の管理を行うことが重要です。
そして血圧の管理に加え、そのほかの動脈硬化の原因となる生活習慣の改善は合わせて行う必要があります。
大動脈解離は、発症から長期にわたり定期的なCT等での大動脈の観察が必要です。
なぜなら、中には解離をした部分が次第に拡張して大動脈瘤となる方がいます。
そうなると、破裂・突然死のリスクとなりますので、人工血管に置換する手術やステントグラフト内挿術の必要が出てくるのです。
このような面からも、血圧コントロールは大切なのです。
降圧薬の選択については、必ずβブロッカーと言われる種類の薬を第一として入れる必要があります。βブロッカーには、解離による合併症などを減らし、大動脈解離が徐々に拡大し大動脈瘤となるのを抑えるという報告があります。
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