第212回:新しく生まれる
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こんにちは。船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
さて、血糖を主人公とした二時間ドラマが昨日と一昨日で二つ終わりました。
うまく血糖値が下がりすぎないように維持することができていましたね。
そして、この先の時間帯では、血糖値を維持するためには、やはりお菓子でも食べて等を補給するしかないのでしょうか?
ということは、食事をしてから四時間たったら糖の補給をしなければならないということですね。
そうしないと低血糖になるということになります。
でも、実際みなさん四時間以上食べなくても大丈夫ですよね。
何らかの血糖値を維持するような次のシステムが私たちにはあるのです。
ここで行われるのが「糖新生」です。
グリコーゲンの分解により血糖値を維持していた肝臓が、貯蓄であるグリコーゲンが減少してきたために行う次の手です。
実は、肝臓は、タンパク質や脂質、乳酸といった物質から、糖を作り出すことができます。
その量は、およそ1日に100gと言われています。
これにより長時間、糖質を摂ることをしなくても血糖値を維持することができます。
素晴らしいシステムですね。
唯一、糖質だけしかエネルギー源とすることができない血液の中で酸素を運搬する赤血球は一時間に約4gの糖を必要とするとされていますので、単純計算でちょうど赤血球1日分の血糖は肝臓で作ることができます。
そして素晴らしいことに、この頃には活動の主たるエネルギー源は、これらのシステムにより維持されている血糖を利用することなく、第207回でもお話ししたように脂質(あぶら)を由来とする脂肪酸およびケトン体となっています。
皆さんは、夜寝ている間や日中でも食事をとってしばらくすると、脂質を主なエネルギー源としつつ、血糖値の維持のために肝臓で日常的に糖新生を行っているのです。
飢餓時(お腹が空いている時)には、この糖新生は常に血糖の維持のために頑張っており、同時に主とするエネルギー源は、脂質を由来とする脂肪酸およびケトン体となっていますから、これにより山中における遭難などでは数日食べ物を摂取しなくても水のみで生きることができているというわけですね。
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