第1325回:バランスの良い食事って一体なんだ?
BLOG
BLOG
こんにちは。
船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
バランスの良い食事とはなんでしょう?
「バランスの良い食事を心がけましょう」って言われても困りませんか?
今日は、これについて深掘り。
生活習慣病の代表格でもある2型糖尿病は、主に食事内容の乱れからくるものです。
その糖尿病に対する適切な食事をガイドラインではこのように定めています。
「炭水化物を 50~60%エネルギー、たんぱく質 20%エネルギー以下を目安とし、残りを脂質とする」
ということは、、、
一日1800kcalとした場合、
60%の炭水化物は1040kcal。
炭水化物は糖質+食物繊維なため、食物繊維をほぼ0kcalと単純計算すると、
糖質は1gが4kcalなため、260gの糖質。
通常、茶碗一杯のご飯の量は150g。
その中に糖質は約55g。
ですから、毎食ご飯一杯で165gの糖質です。
毎食ご飯を普通に食べても、まだ100g近い糖質が摂取可能ですね。
あれ?
これって、普段みなさんが食べている量を考えると、それほどきつい制限ではない気がします。
でも、そんな食事をしてきた人でも確実に糖尿病を発症している現実。
これってどういうことなんでしょう?
「私はそれほど間食もしないし、ご飯も周りと比較してもそんなに食べない」
そんな人も糖尿病にいつの間にかなってしまっているのです。
では、そもそも糖尿病のガイドラインにある「炭水化物を 50~60%エネルギー、たんぱく質 20%エネルギー以下を目安とし、残りを脂質とする」というのは、何が根拠なのでしょう?
これこそが「バランスが良い」ということだ!とでも言わんばかりの内容です。
実は、いくら調べても、これについてバランスがいいという科学的根拠はないのです。
そして、ガイドラインには、「栄養素の摂取比率は、個人の嗜好性ひいては地域の食文化を反映している。食事療法を長く継続するためには、個々の食習慣を尊重しながら、柔軟な対応をしなければならない。」とあります。
つまり、日本人の現代の平均的な食事の内容をもとに比率を作っているのです。
その上で、カロリーを制限することで糖尿病を治療するということになります。
でも、カロリー制限はきついです。
しかも、これだけの糖質を摂ることにより血糖値は上昇しすぎている方が多いのも現実です。
ガイドラインは、医療の標準化にはとても役に立つ貴重なものだと思います。
ですから、参考にすべきところも多く、私も重宝しています。
ですが、現在のガイドラインでは、やや糖質が多いのでは?とも思います。
つまりバランスが悪いのです。
糖尿病の食事療法の目的は、血糖をあげないようにすることだと思っています。
であるならば、自分がどのような食事をした時にどのぐらい血糖が上昇するかを自分で把握することが一番早いです。
つまり、自分の体が過度な血糖値の上昇を生まない食事がバランスのよい食事の大前提だと思います。
もちろんその他にも考えるべきことはありますが、まずは大前提を踏まえたうえで自分にとってのバランスの良い食事というものを考える必要があると思います。
発熱・胃腸炎等の症状のある方の診察時間は
14:00~14:30にお願いしております。
予約画面では予約なさらず、お時間になりなしたら
直接お越しください。