うまく脂肪燃焼させる運動ってどのくらい?
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こんにちは。
船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
「脂肪は溜まるためにあるもの」
これは、昔私が外来で患者さんに言われた名言です。
懐かしい。
でも、脂肪燃焼を望む方はかなり多いと思います。
「運動嫌だし、、、疲れるし、、、」
同意します。
では、どの程度の運動が一番効果的か?ということをまず知り、ちょっと試して見ませんか?
きっと、「このくらいなら出来る」って思いますよ。
最終目標は効果的な脂肪燃焼です。
ということは、
エネルギーを使えばいいのですから、激しければ激しい運動ほど良いのか?
いえ、違います。
人間は、エネルギーを産生するときに糖質や脂質などを燃やしてエネルギーを生み出しています。
そして、どの材料(糖質、脂質など)をどのくらい使ってエネルギーを産生するかは、その時の運動の激しさ(運動強度)に応じて決められるのです。
基本的には、激しい運動をする必要がある場合、人はよりエネルギーの材料として糖質を多く必要とします。
反対に、緩やかな動きでは、糖質に加えて脂質を入れつつエネルギーを作り出します。
でも、あまりにも緩やかな動きでは、大してエネルギー消費しないので、ある程度の強度の運動は必要ですね。
では、脂質がなるべく多く消費されるある程度強い強度の運動はどのくらいなのでしょう?
これを調べるのには「呼吸商」というものから見出すことができます。
ちょっと専門的なので、こちらについては説明は割愛しますが、
これによると、運動強度(運動の強さ)が最大の50%程度を超えるあたりから、急激に脂質は使われなくなり、糖質を使うようになるのです(Astrand P、 Rodahl K 著,朝比奈一男監訳、浅野克己訳:運動生理学より)。
ということは、最も効率的なのは、運動強度が40から50%程度の運動ということになります。
『わかったよ、、、だから具体的にはどのくらいなのよ、、、、』
ですよね、40だの50だの言われても、具体的にどのくらいかわかりませんよね。
運動強度の測定は、本来は酸素摂取量を計測するなどの手間があり、日常では無理です。
お手軽に日常にて運動強度を測定する方法に、心拍数を用いる方法があります。
運動強度(%)=(その時の心拍数-安静時心拍数)÷(最大心拍数-安静時心拍数)×100
つまり、、、
目標とする心拍数=運動強度(%)÷100×(最大心拍数-安静時心拍数)+安静時心拍数
ということになります。
いや、ちょっと待って。
「自分の最大心拍数なんて知らない」というご指摘をいただきそうです。
ご安心を。
こちらも簡単に推定を出せます。それは、、、
その人の推測される最大心拍数=220-年齢
これで簡単にわかります。
では、具体的にやってみましょう。
43歳の市川さん。
さて、脂肪燃焼のために運動したいと思いました。
どのくらいの運動をすべきでしょう?
効率的な脂肪燃焼のための運動に最適な心拍数を知れば、運動の時に目安となります。
というわけで、
まずは、
推定される最大心拍数=220-43=177 です。
安静時心拍数は、数分座った後の心拍数を計測したところ、市川さんは80でした。
そして、
市川さんは疲れるのは嫌いなので、今回は運動強度40%で効率的に脂肪燃焼をしたいと考え、、、
目標心拍数=0.40×(177-80)+80=118.8
というわけで、市川さんの脂肪燃焼を効率的に行うための運動の目標心拍数は約120ということになりました。
みなさんはいかがでしょう?
みなさん、自分にあった心拍数で効率的に脂肪燃焼しませんか?
なお、もともと心臓や血管などの持病をお持ちの方は、運動前にぜひ主治医の先生とその可否について相談してください。
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