さま
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こんにちは。
船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
連絡先:TEL : 047-429-8181
最近は少なくなってはきました、『患者さま』という表現。
私が医師なってしばらくして急激に患者さまと呼ぶようにという風潮が広まりました。
正直当時から違和感はありました。
なぜ『患者さん』ではないのだろうと。。。
きっかけは、厚生労働省の『国立病院・療養所における医療サービスの質の向上に関する指針』の中で書かれている『患者との接偶態度や言葉使いの改善』という項目でした。
そこには、『患者の呼称の際、原則として姓名に「さま」を付することが望ましい』と書かれていたそうです。
もちろん、状況に応じて『さん』を付けることも勿論許されるとされていたのにも関わらず、当時の風潮として、『さま』付けがルール・義務となったような感じでした。
しかし、今ではさま付けをしているところは少ないですよね。
医療は公共財であるべきではないかというのを聞いたことがあります。
つまり、非競合性と非排除性ですね。
こんなこと、素人が言ったら経済学の専門家からお叱りを受けるかもしれませんが。。。。
日本の医療は、国民皆保険を基本としています。
ですから、所得にかかわらず誰でも消費できるということが基本となっています。
これにより非排除性を実現しようとしています。
しかし、残念ながら、『非競合性=ある人が消費をしても他の人に全く影響を与えない性質』は、救急車のたらい回しなどに代表されるように、なかなか実現まで至っていないと思います。
非競合性はまだ十分とは言えないですね。
現時点では準公共財に当たるのでしょうか。
でも、本来は公共財であることを目指すべきなのではないか。
現状では、少なくとも排除性と競合性を併せ持つ『私的財』ではないと思うので、街のお店屋さんにやってくる『お客さま』とは異なるのではないかと。。。違いますかね。。。
そして、何より医療においては『patient education』という言葉があります。
日本語にすると『患者教育』ということになります。
これは、医療従事者が患者さん自身の健康にかかわる行動を変化させ、健康状態を改善させるプロセスとされています。
まさに、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の診療においては欠かせない考え方です。
ですから、生活習慣病は特に患者さんとともに歩む姿勢が必要ではないかと思います。
患者さんへのあるアンケートによると、『さん』で十分だという意見が7割を占めるようですし、職員も患者さんも『さん』の方が身近で親しみを感じるという意見が多いようです。
親しみは、生活習慣病に対してともに戦う関係として一番大切です。
『患者さま』では、そこに大きな溝を感じ、よそよそしさを感じるという方も多いのです。
そもそも、『患者』に『さま』を付けるのは日本語としておかしいと。
『患っている人』に『さま』ですからね。。。
確かに『さま』をつければ、丁寧に接遇されていると思うかもしれません。
でも、医療における接遇は、常に目の前の相手が何を望んでるのか考え、気持ちを推し量り、心に寄り添い、気持ちに応えることだと思っています。
このような理由で当院では全て『さん』付けでいきたいと考えてます。
すいません、生意気なことを言い出しました。。。
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