第19回:ビックサンダーマウンテンで良い事が起きる?
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こんにちは。
船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
ビックサンダーマウンテンってご存知ですか?
ディズニーランドにあるジェットコースターですね。
私はジェットコースターは大っ嫌いですが、こんな面白い論文もあるのです。
Marc A.Mitchell,David D.Wartinger. Validation of a Functional Pyelocalyceal Renal Model for the Evaluation of Renal Calculi Passage While Riding a Roller Coaster. J Am Osteopath Assoc 2016;116:647-52
アメリカでは、年間で30万人以上が腎結石・尿路結石のために治療を必要としているようで、水をたくさん飲んだり、体の位置を変えたりなどの方法で石を出そうとしているとのこと。
そして、以前からこの研究を行なった医師の外来に通う患者さん複数人から、フロリダにあるビックサンダーマウンテンに乗ったら勝手に尿路結石が出てきたという話を聞いていたので検証することにしたと。
すごい面白いと思いません?
やろうとすること自体が素晴らしい。
方法としては、患者さんの腎臓と尿路(おしっこの通る道)に見立てたシュミレーターを透明なシリコンで作って中の様子を観察できるようにしたそうです。
そして、このシリコンモデルに尿路結石の石と尿を詰め込んだそうです。
石の大きさは最大で直径4mm。
その後、いざビックサンダーマウンテンへ!
フロリダのビックサンダーマウンテンは、宙返りしないタイプらしく、2分30秒の間に時速35マイル(時速56.3km)で急転回と急降下をするものだそうです。
そして、3つのシリコンモデルに石を入れた後、それをバックパックに入れて、2人の研究者の間の席で腎臓のある高さに固定し、なんと 20回も席の位置を変えながらビックサンダーマウンテンに乗車!
のべ60個の石の動き方を調べました。恐れ入ります。。。
さて結果です。
前方に乗ったときは24個のうち4個の石が動いて排泄できたと判断されました。
そして、後方に乗ったときは、36個のうちなんと23個もの石が動いて排泄したとみなされました。
実に確率にして64%!
つまり、、、
ビックサンダーマウンテンの後部座席に乗れば尿路結石の石は排泄されやすいという結果でした。
面白いですね。
しかも、この研究者たち、スペースマウンテンとロックンローラー・コースターという他のアトラクションでも調べてみたところ、こちらでは先ほどのような石の排泄への貢献はみられなかったとのこと。
ビックサンダーマウンテンの、しかも後部座席のスピードや揺られかたが良いのでしょうね。
この研究者も、ある程度のスピードといくつかのひねりやアップダウンが良いのだろうけど、宙返りしたりするような激しいものはかえって妨げになるであろうと。
日本のビックサンダーマウンテンがこれに合致するものかどうかはわかりませんが、
世界には、面白い研究をする人もいるものですね。
でも、尿路結石で痛い痛いという時に、ディズニーランドの長蛇の列は無理ですね。。。
尿路結石の痛みは半端ないですから(経験者しかわかりません、あの痛みは)。
この結果からも、昔から言われる、尿路結石になったら水たくさん飲んで縄跳びするというのもあながち間違いではないようですね。
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