夢のスープ皿?
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こんにちは。
船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
みなさん、『イグノーベル賞』ってご存知ですか?
1991年に創設された「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられるノーベル賞のパロディーです。
パロディーとは言え、受賞した研究の内容はどれも興味深いものばかり。
ちょっとクスクス笑ってしまい、それでいて感心するものばかりです。
数ある受賞の中から、一つ。
2007年栄養学賞を受賞した論文です。
“Bottomless Bowls: Why Visual Cues of Portion Size May Influence Intake,” Brian Wansink, James E. Painter and Jill North, Obesity Research, vol. 13, no. 1, January 2005, pp. 93-100.
自動的にスープを注ぎ足す底なしの皿を使い、人間の食欲の限界を調査したそうです。
以下が実際の内容です。
まず、54人の参加者に対して、普通のボールと食べるとゆっくりと飲んだ分だけ自動的に気づかれずにスープを注ぎ足せるボールで、各々スープを摂取してもらいました。
そして、その後、実際の摂取量や参加者本人が感じた摂取量の推定、満腹感などを調査しました。
結果、自動的に補給されるボールでスープを食べていた参加者は、通常のボールで食べていた人と比べ、73%も多くスープを摂取していました。
その上、その人たちの満足感は、通常のボールの人たちとなんら変わりはなく、しかも通常のボールの人たちより多くを消費したとは思っていなかったのです。しかも、これは体格の指標であるBMIの影響はなかったとのことでした。
人間という生き物は、皿にあればあるほど食べてしまう生き物なのでしょうか。
目の前に残っている食事の量で食欲が影響されるのですね。
どのくらい食べたかを胃でカウントすることはできないということです。
正確な目の前の食事に対する視覚情報が、自分の過食を防いでくれるということですね。
それにしても、自動的に充填されるスープ皿って、夢のようです。
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