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第1338回:善玉が善玉ではないかもしれない

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第1338回:善玉が善玉ではないかもしれない

こんにちは。

船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。

 


善玉コレステロールが手放しに「善玉」として扱うことができない可能性があることをご存知でしょうか?

 

つまり、「善玉と言われているHDLコレステロールも高値では逆に心臓病にリスクとなる可能性がある」ということ。

 

以前、以下のような発表が海外でありました。

 

それによると、、、

HDLコレステロールとは、HDLが血液および血管壁から肝臓へ、そして最終的には体外へのコレステロールの運搬に関与しており、動脈硬化のリスクを低減するため、「善玉」と考えられています。

HDLコレステロールが低いの人は、動脈硬化および心臓血管病のリスクが高いことは知られています。

しかし、逆にHDLコレステロールが非常に高い場合の効果は不明とのことで今回調べたようです。

 

結果としては、、、

元々心臓病を持つ平均年齢が63歳(女性は35%)の方々を対象としており、

参加者は、HDLコレステロールの値によって5つのグループに分けて調査しました。

そして、平均4年間その方々を追跡した結果、全体の13%に当たる769人が心臓発作を起こしたか、もしくは心臓血管病で死亡しました。

この方々のHDLコレステロールをみたところ、、、

なんと、その量が少なくも多くもない範囲である、41-60mg / dlの方々が心臓発作または心臓血管死のリスクが最も低かったとのことです。

そして、善玉と言われるHDLコレステロールがそれよりさらに多い人たち(60mg / dlを超える)は、逆に心臓発作や死亡のリスクが高くなっていました。。。

 

善玉と言われるHDLコレステロールも高すぎることはよろしくないという可能性。

 

もう、手放しに善玉として扱う時代は終わったのかもしれません。

 

このような結果になった理由について、そのメカニズムは不明なようです。

しかし、あまりに多いHDLコレステロールの中には一部機能が十分でないものも含まれている可能性があり、それが心臓血管病をむしろ進めてしまうというシナリオが考えられています。

 

とにかく、今までのように善玉は多いことは問題ないとする認識で外来診療を行うことはできませんね。

皆さんも、ご自身の採血結果を今一度確認して見てはいかがでしょう?

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