第1395回:もうこれで風が吹いても痛くない
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こんにちは。
船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
前回、尿酸をコントロールするには、尿酸を体の外へ出しにくくしている生活を改善すれば良いというお話をしました。
しかし、『尿酸の元になるものを食べないに越したことはないでしょ?』、『尿酸を上げてしまう食べ物はなに?』というご指摘やご質問もよくいただきます。
というわけで、尿酸を上げてしまう、つまりプリン体がたくさん含まれているとされる食材をご紹介します。
でも、私はこれらを必要以上に避ける必要はないと思っています。
理由は後ほど。。。
【プリン体(尿酸の元)が多く含まれる食材】
食材名 含まれる量(プリン体量/食材量)
鶏レバー 250mg/80g
豚レバー 228mg/80g
牛レバー 176mg/80g
サンマ干物 188mg/90g
カツオ 169mg/80g
カニ 136mg/100g
鶏モモ 98mg/80g
(ほぼ全ての肉類も同様)
プリン体は細胞の主成分ですのでやはり細胞の多い、いわゆる動物に多いということが言えますね。
ちなみに、プリン体が少ない食材としては、卵や白菜などの野菜、もずく、納豆などがあります。
そして、痛風予防に真っ先に悪者とされる『ビール』ですが、ビール1缶(350ml)あたり、含まれるプリン体は12〜25mgしかないのです。
プリン体ゼロのビールを飲んでおけば痛風にはならないなんて言うのは、おかしな話ですね。
しかし、『それならビールはたくさん飲んでも大丈夫!』ということではないことは前回でもお話に出てきました。これについては、前回を参照してください。
そして、最後に。
プリン体を含まれる食材を必要以上に避ける必要はないと考える理由についてです。
尿酸が高くなるには、尿酸を多く作る(つまり、尿酸の元となるプリン体などを多く食べる)タイプと体の中で出来た尿酸を体の外へ出しにくくしているタイプの二つがあります。
前者は尿酸生産過剰型、後者は尿酸排泄抑制型と言います。
そして、ある検診受診者15000人を調べたデータによりますと、なんと、尿酸排泄抑制型の人は全体の88%にも及び、対して尿酸生産過剰型の人は0.2%しかいませんでした。ちなみに残りの10%ちょっとの人は二つのタイプの混合とのこと。
つまり、純粋に尿酸生産過剰の人、言い換えれば尿酸の元となるプリン体などを多く食べ過ぎていて尿酸値が高い人は0.2%しかいなく、対して90%近くの人は体の中に出来てしまった尿酸をうまく排出できないために尿酸が溜まっているだけということです。
このデータからも、好きなものは適度に食べつつ、尿酸を体の外に出しにくくする生活をしないようにすれば良いというのが分かりますね!
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