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第1416回:見た目は一緒でも中身が違う④

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第1416回:見た目は一緒でも中身が違う④

こんにちは。

船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。

 


では、今日は具体的に以前お示しした二人の血糖コントロールについて考えて見ます。

ここで、一つ。

HbA1cは1-2ヶ月の血糖の平均を数値化したものです。

ですから、HbA1cからその人の平均血糖値が推定できます。

それが、、、

平均血糖値(推定)=28.7 × HbA1c −46.7 です。

 

そして、、、、

  • インスリン注射をして治療中の方の検査結果
    • HbA1c6.6   
    • 空腹時血糖76
  • 食事運動療法で治療中の方の検査結果
    • HbA1c6.6
    • 空腹時血糖112

お二人とも1-2ヶ月の血糖値の平均を示すHbA1cは6.6でコントロール良好です。

しかし、インスリンで治療している方は、空腹時血糖も下がり、いわゆる正常。

食事運動療法のみの方は、空腹時血糖が112とやや高く、異常。やはり、一見、こちらの人の方が良くない気がします。

 

では、まずインスリン注射をしている方。

HbA1cが6.6ですから、上記の計算式より、平均血糖値(推定)は約143です。

空腹時血糖(最低)が76ですから、単純計算では、最高血糖は210となります。

これは、本当に単純計算ですが、このことにより食後に血糖が210まで上がってると仮定ができますね。

ということは、最高血糖から最低血糖をひいて(210-76)、134がこの人の血糖の変動値となります。

 

同様に、食事運動療法のみの方を計算すると、単純計算で、最高血糖は174となります。

ですから、この人の血糖の変動値は、174-112で、62です。

 

結局、一見コントロール良さそうなインスリン注射をしている人の方が、2倍以上の血糖変動をしているということになります。

 

血糖が一番上がるのは食後です。

ですから、食後高血糖をきたさないようにするという事が何よりも大切です。

 

そして、昨日お話しした通り、この血糖変動が大きいほど、酸化ストレスが増し動脈硬化が進みます。

 

糖尿病を外来で診療するにあたっては、このようなところまでデータを見つつ、患者さんと共に生活習慣の改善を試みていくことも必要ですね。

 

ちなみに、血糖変動をさせない食事療法とはなんでしょうか?

皆さんも、一緒に血糖の変動を念頭に置いた食事運動療法やってみませんか?

 

 

 

 

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