第1446回:本当に悪い奴っているんです
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こんにちは。
船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
コレステロールのコントロールの最終目的は、動脈硬化の進展の抑制です。
では、なぜコレステロール異常は動脈硬化を引き起こすのでしょう?
善玉、悪玉コレステロールという言葉をお聞きになったことがある方も多いと思います。
一般に、LDLコレステロールを悪玉と呼び、HDLコレステロールを善玉と呼びます。
HDLコレステロールは血中の余分なコレステロールを回収する働きがあり、LDLコレステロールは全身にコレステロールを運ぶ役割があるものの、一方で血管の壁に入り込み動脈硬化の原因となると言われています。
本当にそうでしょうか?
今でも動脈硬化の様々な研究は行われています。
そして、一筋縄ではいかない、様々な機序が報告されています。
現時点では、最も良くないものはLDLではなく、LDLの中でも小型のsmall dence LDL(sdLDLスモールデンスLDL、小型LDL)と言われるものです。
今までの様々な報告を総合的に見てみると、まず、高血圧や喫煙、糖尿病などにより血管の内皮細胞が傷害を受けます。
内皮細胞とは血管の内側にある一層の膜のことです。
ここでは、血管の機能を維持するように様々な物質が作られ、血管を健康に保っています。
しかし、ここが障害を受けるため、そこに血液中を流れる白血球のある成分が集まってきます。
また、sdLDLはその小ささを利用して障害された内皮を通り抜け血管の壁に入り込みます。
そして、このsdLDLは厄介なことに非常に酸化(さび)されやすい性質を持ち、喫煙などの動脈硬化リスク因子や酸化ストレス(活性酸素)により酸化されます。
すると先ほどの白血球のある成分はマクロファージと名前を変え、その酸化して不必要なsdLDLを取り込んでしまいます。
それがどんどん大きくなり、風船のようになり、血管壁にたまり、マクロファージは死にます。
結果、血管壁は厚くなり、血管内は狭くなる、つまり動脈硬化ができるということになります。
ですから、ここまで出てきた登場人物である、sdLDL、高血圧、糖尿、喫煙などは全て動脈硬化のリスクファクターと呼ばれることも納得いただけると思います。
では、どうすればsdLDLは少なくなってくれるのでしょう?
sdLDLを生まない生活習慣が大事ということですね。
ちょっと長くなったので、今日はここまでで。
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