第383回:コレステロールの薬とコエンザイムQ10
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こんにちは。船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
昨日は、コレステロールの薬を飲むと体の中のコエンザイムQ10が減るというお話でしたね。
でも、それってなぜでしょう?
そもそも、私たちの体の中のコエンザイムQ10は半分は食事から摂取し、残りの半分は体内で自分で作っているといわれています。
コレステロールの薬を飲んでいることは、、、、
もちろん食事からのコエンザイムQ10が減るということにはならないと思いますので、結局減る原因は薬の影響で体内で自分で作る量が減るということになります。
では詳しくその仕組みをご紹介。
じつは、、、
こちらが、体内でのコエンザイムQ10が作られるときの様子です。
上から下へ物質が変化していくわけです。
この図での、
青い矢印がコエンザイムQ10
黄色い矢印がコレステロール
そして、
この二つより上の方にある赤い矢印がメバロン酸と言われるものです。
なんだか難しそうですが、少しだけついてきてください。
そして、スタチンとよばれるコレステロールの薬は、この赤い矢印のメバロン酸を作るところを妨害するのです。
ですから、
その下流にあるコレステロールは低下しますね。
でも、、、、
同時にやはりメバロン酸の下流にあるコエンザイムQ10も低下してしまいます。
実際、コレステロールの薬であるスタチンを飲んでいる方はコエンザイムQ10が低下しているという事実は確認されています。
「えーーー、じゃあ補給しないと!」
って思いました?
でも、このことが私たちの体に悪影響を及ぼすという科学的な根拠は今のところはないのです。
というわけで、「このスタチンを飲んでる人は必ずコエンザイムQ10を補給しないとダメですよ」なんてことは必ずしも正しいこととは言えないのです。
私たちのコエンザイムQ10はとっても大切であるため、このような少々の減少では大丈夫なように安全域が広いのではないかと思われます。
とはいっても、ちょっと気にはなりますね。
薬を飲むときは、いろいろなことが起こり得ますからね。
このことも一つの知識として蓄えておく必要があります。
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