第510回:グリコで推定する
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こんにちは。船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
ここ数日、実際の血糖値と糖尿病のコントロールの指標となるヘモグロビンA1c(HbA1c)に乖離がある方がいるというお話をしてきました。
そして、その乖離を埋めるために、その方の実際のHbA1cを推定する方法があることもお話してきました。
しかし、昨日お話しした方法はいずれも煩雑であったり等、ちょっと手を出しずらい感じでした。
そこで、当院では、そのほかのある方法で推定することを行なっています。
それは、10年ほど前に日本の先生方により報告された方法で、「グリコアルブミン」というものを使用する方法です。
そもそも血液の中をめぐる糖はたんぱく質とくっつく性質があるということ、数日前にお話ししましたね。
その性質を利用し、たんぱく質であるヘモグロビンとくっついたものがHbA1c。
これとは別に、血液中のアルブミンと呼ばれるたんぱく質の一種と糖がくっついたのがグリコアルブミンなのです。
HbA1cが個人差がある理由の一つは、ヘモグロビンが含まれる赤血球の寿命が個人差があるということでした。
でも、このグリコアルブミンの元であるアルブミンは、よほどのことがない限りその寿命に個人差がないということがわかっています。
ですから、このグリコアルブミンからHbA1cを推定すれば、かなり正確に実際のHb1cを推定できるのです。
それならグリコアルブミンを用いればいいのでは?と思うでしょうが、グリコアルブミンは過去2週間程度の血糖値の推移しか反映できず、長期のコントロールには不向きです。
ですので、やはりその点でもHbA1cを正確に知ることは大事です。
実際に推定するための計算式も報告されており、詳しくは割愛しますが当院ではこれを時々使用させていただき診療における手助けとしています。
とにかく、HbA1cには同じ血糖値の上がり下がりをしている人でも個人差があるため、それを全て信じるのは危険なこともあるわけです。
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