糖尿病の恐ろしさ
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こんにちは。
船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
では、なぜ糖尿病をしっかりコントロールする必要があるのでしょう?
それは、昨日もお話ししたように、将来に起こりうる合併症を予防する必要があるからです。
血糖値が高いこと自体に対する自覚症状で有名なものとしては、口渇・多飲・多尿・疲労感・体重減少などがあります。
しかし、多くの方はこれに気づくことはなく、健康診断等の採血で糖尿病を指摘されて来院される場合がほとんどなのです。
そして、何度も言うように、糖尿病の恐ろしさはその合併症にあるのです。
糖尿病は、血糖値が高いために、より多くの血糖が血液中を回っています。
そして、この余分な血糖は身体中のタンパク質と結合をするのです。
それにより糖化という現象が起こります。
できたものは終末糖化産物(AGEs)と言われ、その蓄積やそこから放出されるサイトカインと言われるものによる炎症等により、各種臓器は本来の働きを失い、様々な合併症を引き起こすのです。
では、気をつけるべき合併症とは何があるのでしょう?
糖尿病網膜症は、病初期はもちろんのこと、進行しても自覚症状に乏しいことが多く、出血や網膜剝離などが起こって初めて異常を自覚することもあるので、定期的な眼科専門医によるチェックが必要となります。
糖尿病と診断された時点でまず眼科受診が必要です。
そして、その後は専門医による指示のもとに定期的なチェックを適切な間隔で行い必要であれば光凝固等の治療となります。
年間で糖尿病網膜症による失明は約3000人とも言われており、いまでも失明原因の第2位(1位は緑内障)となっています。
また、進行した網膜症を持つ糖尿病患者さんの急激な血糖コントロールは、網膜症の悪化を認めることもあり、この点でも、内科医と眼科医の適切な連携による治療が必要です。
糖尿病腎症は、長い間に高血糖にさらされることにより起こる糖尿病特有の血管合併症の一つであり、現在では腎不全(腎臓が機能しなくなること)の原因として最も多いものです。
しかし、糖尿病が原因の腎症による末期腎不全の患者さんには、合併症が出るまで糖尿病を放置していた方や途中で治療を中断した方など、コントロールを十分にしていなかった方が多いのも事実であり、他の合併症同様、早期からの適切な介入とその継続が必要となるものです。
そして、通常は、糖尿病と診断された段階で、腎臓がどれほど糖尿によってやられてしまっているかの評価を行います。
糖尿病の腎障害の評価で特に大切なのは、尿中に含まれるアルブミン排泄量と腎臓のろ過機能を示す糸球体ろ過率と言うものの測定です。
糖尿病の初期での軽度の障害から、尿中には小さなタンパク質であるアルブミンと呼ばれるものが漏れ始めるのです。
これにより重症度を判断し、現在ではその重症度を5段階に分類します。
微量な尿中のアルブミンは、腎臓障害の比較的早期から見られる所見であり、これをある一定量以上認めると病気として次の重症度ステージである第2期と言われる早期腎症という区分に入ります。
ここが腎臓障害の管理で最も大切な時期となります。
第2期は血糖をはじめとした危険因子の適切な管理により腎臓障害の改善が期待できる段階です。
ここを逃すと改善が見込みにくくなると言われています。
ですから、第2期は重要な病期であり、ここで食い止めるための最大限の努力をするべきであり、この時期での治療が糖尿病患者さんの未来を決定するターニングポイントであると言われています。
ですから、糖尿病患者さんでは、定期的な尿中のアルブミン尿のチェックは必須となります。
定期的なチェックにより、常に患者さんの腎症の病期を把握しつつ、その時に応じた治療をしていく必要があるのです。
皆さんもかかりつけの先生とともに、ご自身の腎症の程度の把握をしていきましょう。
少し長くなりました。。。。
でも、まだ糖尿病の合併症には様々なものがあるのです。。。。
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