第508回:ヘモグロビンA1cは便利ですが、、、❷
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こんにちは。船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
「全く同じ治療、全く同じ食事、全く同じ生活をしている人同士でも実はヘモグロビンA1c(HbA1c)が異なる場合がある」
昨日はそんなお話で終わってましたね。
では、実際にそれはどういうことなのか?をみてみましょう。
そもそも、HbA1cとはなんなのでしょうか?
血液の中に糖がいると、その糖は近くにあるタンパク質とくっつく性質があります。
ですから、血液の中の赤血球にあるタンパク質であるヘモグロビンと糖がくっつくのです。
これがヘモグロビンの何%に起こっているかを示したものがヘモグロビンA1c。
というわけで、当然血液中に糖がたくさんいるとその数値は上がっていくわけです。
でも、よく考えると赤血球はいつまでも血液中にいることはできません。
やがて寿命を終えると赤血球は壊され消滅します。
その寿命はおよそ120日前後と言われています。
ここで一つ考えてみます。
とっても寿命の長い赤血球は高率にその生涯を終える時に糖がくっついていることでしょう。
逆に寿命のとっても短い赤血球はその生涯を終える時に糖がくっついている確率は低いということになります。
つまり、赤血球の寿命がどのくらいあるかによって同じ血糖値でもHbA1cは異なるということです。
人の赤血球の寿命はおよそ120日です。
これは医学部で習う基本的なことです。
でも、それも個人差があるのです。
120日より長い人もいれば短い人もいる。
これにより、同じ血糖値で推移する人の間でもHbA1cは異なる値となるのです。
なんと研究によると1%以上も異なる可能性があるという報告もあるのです。
たった1%と思わないでください。
HbA1cの正常値は5.5%以下。
そして、糖尿病と診断される可能性のあるHbA1cは6.5%以上です。
この差はたった1%しかないのです。
1%ってHbA1cにとってはとっても大きいのです。
ではどうすれば自分のHbA1cを正確に知ることができるのか?
これには一手間必要です。
明日はそのお話です。
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