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第562回:診療の惰性(Clinical inertia)で犠牲になるのは患者さんです

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第562回:診療の惰性(Clinical inertia)で犠牲になるのは患者さんです

こんにちは。船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。

 


昨日は「Clinical inertia(クリニカルイナーシャ)」という言葉の紹介でした。

日本語になおすと「診療の惰性」でしたね。

 

そして、その言葉を理解するためのヒントは、、、

『とりあえず様子見ましょう、、、』

 

具体的にお話しすると、「Clinial inertia(診療の惰性)」とは、治療目標が達成できていないにも関わらず適切な治療の強化がなされていなことです。

つまり、血圧がまだちょっと高めだけど、適切な指導や場合によっては薬の変更などがなされず、そのままの治療で放置されてしまうといった感じです。

これは生活習慣病の治療現場ではよく見かけることとされています。

 

生活習慣病は基本的に症状がありません。

多少血圧が高くても、多少血糖値が高くても、多少コレステロールが高くても患者さんは症状がないのです。

ですから適切に治療されていない、つまりコントロールが不良にも関わらず、それを放置されてしまう。

 

医者が「とりあえず様子見ましょう」といったからこのままでいいんだと思っている人もいます。

なんなら薬が増えなくてラッキーとさえ思う人もいるようです。

医師と患者さんとの間のコミュニケーション不足から生まれるものです。

 

みなさんは大丈夫ですか?

「とりあえず様子みましょう」という言葉は場合により怖い言葉なのです。

もちろん様子を見るべき状況もあります。

その場合はなぜ様子をみるべきなのかを医師は患者さんに説明することができなくてはなりません。

 

では、患者さんがこのClinical inertia(臨床の惰性)の犠牲とならないためにはどうすればいいのでしょう?

明日はそんなお話です。

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