窓を開けると風邪をひく
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こんにちは。
船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
今日は、運動について考えてみました。
適度な運動は、
①皮膚や粘膜に機械的刺激を与え、局所免疫機能を高めます。
その結果、皮膚や粘膜のバリア機能向上から、ウイルスなどの病原体の侵入を防ぎます。
事実、のどなどの粘膜からの病原体の侵入を抑えてくれる免疫グロブリン(分泌型IgAと言われています)と呼ばれる物質の上昇を認めます。
②さらに、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)などの白血球の機能も上がります。
事実、NK細胞などの活性が上昇することが示されています。
③また、皮膚や骨格筋の血流が増え、新陳代謝活性化をもたらします。
これらにより、上気道感染症、いわゆる風邪などの発症頻度が減少することが示されているのです。
また、これらの免疫機能の上昇により、大腸がんの予防効果は確実であるとされており、肺がんや乳がんでもその可能性があると言われているようです。
良いことがたくさんあります!
では、
運動をしましょう!
でも、
一つだけ注意点があります。
オープンウィンドウです。
上記にある運動の恩恵をしっかり受けるには、
一般に
運動強度50-60%
一日20-60分
週3日以上
これを長期間実践
と言われております。
それ以上の高強度の運動はオープンウィンドウに注意となります。
オープンウィンドウとは、激しい運動後に数時間から数日にわたり一時的に免疫機能が低下する現象を言います。
まさに、激しい運動後に免疫機能が低下し、病原体に対して窓を開けてしまうという状態からこの名前がつけられています。
こちらの図のように、運動中は良いのですが、
終了後、一時的に落ち込みます。
回復するのは良いのですが、その期間は免疫機能の低下がありますし、
さらに、激しい運動を続けるとオープンウィンドウの蓄積と長期化に注意が必要です。
蓄積と長期化により、安静状態での白血球の機能と数が低下するとされています。
また、持続性の運動を行うスポーツ選手は、分泌型IgAの値も低く、上気道感染症の頻度が多いことと関連があるとされています。
では、運動強度50-60%ってどのくらい?
一般的に
(最大心拍数-安静時心拍数)×運動強度(%)+安静時心拍数=運動心拍数
そして、最大心拍数=220-年齢
と言われています。
計算で出た運動心拍数を目安に有酸素運動をしましょう!
一回皆さん計算してみてはいかかでしょう?
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