風邪にビタミンC?
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こんにちは。
船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
風邪をひいた時、
『ビタミンCとって!』
って言いますよね。
私も医師になる前からそんなことは知ってるよって感じで、
何気なく患者さんにも言ってしまっていました。
でも、それって根拠ありますか?という疑問。
そもそも根拠とは、辞書によると「判断・推論などを成り立たせるよりどころ。行動などの正当性を支える事実」とのこと。
つまり、『ビタミンCは免疫細胞を活性化するから風邪に良い(はず)』というのは根拠ではないということになります。
それを根拠にするには、それが事実であること(風邪に対して効果があるということ)を研究が示していなければいけないと思いました(生意気ですいません。。)。
というわけで、以前調べました色々。
様々な優れた論文を収集・要約しているコクラン・レビューと言われるものによると、1日に200 mg以上のビタミンCをとった場合に、風邪を発症するのを減少させる効果はなかったとしています。
あれ?
効果無いようです。。。
ただし、マラソン選手やスキーヤーなどが強い運動や寒い環境に晒されると250mg~1000mgのビタミンCを摂取することによって、風邪を発症する割合が半分になったそうです。
ここまで見ると、ビタミンCには、その摂取する量もあるかもしれませんが、通常の生活における予防効果は乏しいようです。
さらに、
常日頃からビタミンCをとることにより、風邪にかかっている期間は、全体で8%だけ短縮したとのこと。
ということは、5日間風邪をひいたとすると、短縮するのは9時間程度。。。短い。
さらには、風邪をひいた後に慌ててビタミンCをとっても、風邪にかかっている期間や風邪の症状の程度を軽くするということはなかったとのことです。
これでは、風邪をひいた人に、
『ビタミンCたくさんとって』っていうのは根拠が乏しいということなりますね。。。
確かに、もっと大量にビタミンCをとれば効果はあるという方もいるかもしれません。
でもそれがどのくらいかは、はっきりしたデータはありませんでした。
現時点で根拠が乏しいことを患者さんに積極的に勧めるのは『?』と感じます。
効果はあるかもしれませんが、、、という程度でしょうか。。。
ちなみに、ビタミンCより風邪に効果を認めるものには何があるでしょう?
そのうちご紹介します。
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