長時間労働と不整脈
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こんにちは。
船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
みなさん、毎日お仕事ご苦労様です。
長時間労働にはなっていませんか?
今日は、長時間労働が心房細動という不整脈のリスクとなるというお話です。
心房細動についてはこちらを参考にしてください。
心房細動の危険因子としては、加齢、糖尿病、心臓の肥大、高血圧、心筋梗塞の既往、心不全の既往および弁膜症などが示されています。
そして、ここにまた一つ、心房細動の危険因子が加わりました。
それが『長時間労働』です。
このような研究が発表されています。
「Long working hours as a risk factor for atrial fibrillation: a multi-cohort study:European Heart Journal, Volume 38, Issue 34, 7 September 2017, Pages 2621–2628」
これによりますと、、、
これまで、長時間働く人には脳卒中のリスクが高くなることは知られていましたが、脳卒中の原因ともなりうる心房細動と長時間労働との関連は不明であったため調べてみたようです。
研究では、長時間労働を週55時間以上とし、通常労働者を週35-40時間として各々の心房細動のリスクを調べました。
週55時間以上ということは、週休2日として1日平均11時間以上です。このような方は、働き盛りの方には多いのではないでしょうか?
さて、結果です。
まず研究の対象となったのは、今まで心房細動が記録されていない85494人で平均年齢は43.4歳でした。ちょうど働き盛りの方達が対象ですね。
平均経過観察期間は10年で、心電図や病院の記録などのデータを用いて心房細動の有無を見ました。
その結果、心房細動の新規の発症を1061例見つけたとのこと。
そして、その人たちを年齢や性別、社会経済的状態を統計学的に調整した後に見てみると、長時間労働者は、標準時間の労働者に比べて心房細動リスクが1.4倍も高かったのです。
これは、統計学的にも明らかな差として認められています。
長時間労働は身体的・精神的ストレスにもなります。
そういう面からも、今回の結果は納得です。
働き盛りの皆さん、一緒に気をつけていきましょう。
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