第1412回:若い人必見! あなたのその症状は心筋梗塞かもしれません!
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こんにちは。船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
生活習慣病からくる動脈硬化、それに伴う心筋梗塞。
以前は高齢者の病気と言われていましたが、今や30代や40代で発症することも稀ではありません。
そして、若い人における心筋梗塞の症状を性差を含めて調査した研究が世界的な医学雑誌に以前発表されました。
「Lichtman JH et al. Sex differences in the presentation and perception of symptoms among young patients with myocardial infarction: Evidence from the VIRGO study (Variation in Recovery: Role of Gender on Outcomes of Young AMI Patients). Circulation 2018 Feb 20; 137:781.」
若年の女性と男性における急性心筋梗塞の症状についてです。
これによると、、、
アメリカの103の医療施設に若くして心筋梗塞で入院した、女性2009人と男性976人の合計2985人(18歳から55歳、平均年齢47歳)についてその時の症状をインタビューし情報を収集・解析しました。
症状としては、やはり胸の症状がメインではありました。
87.0%の女性と89.5%の男性で胸痛、胸部圧迫感、胸部絞扼感、胸部不快感を認めています。
ただし、女性では男性と比較して胸の症状以外の他の症状を3つ以上伴っているという人が男性に比べて明らかに多かったようです(女性は61.9%、男性は54.8% )。他の症状とは、例えば、上腹部の症状や動悸、顎や首、腕、肩甲骨の痛み・不快感というものでした。
そして、さらに解析を進めると、45歳以上の女性では、男性と比較して胸の症状を認めない確率が約40%も高く、さらに、心電図検査で典型的な心筋梗塞の波形を示していても、女性は男性と比較して胸の症状を認めない確率が約50%も高かったという結果でした。
さらに、女性の場合は男性と比較して、症状の原因を不安やストレスによるものと考える傾向があり、男性はその原因を筋肉痛であろうと考える傾向がありました。
このような心筋梗塞といえども胸の症状を認めない確率が高いという女性の特徴からか、入院前に受診した時に53%の女性は、医療提供者がその症状を心臓関連であると考えていなかったとのことでした。
「若いから」、「胸の症状とはいえないから」と言わずに、常に心筋梗塞の可能性を含めた診療を行う事が大切であるという事でしょう。
20年近く前、研修医の頃に指導医に教えられた事が思い出されます。
「常に頭の片隅に置いておかないと見逃す病気がある。例えば、肺塞栓や心筋梗塞、、、、」
あの頃は私も若年でした。
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