第540回:弁膜症もカテーテルで治す時代
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こんにちは。船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
昨日は、大動脈弁狭窄症の治療についてのお話でした。
これまでは、胸を開けて心臓止めて弁を人工のものと交換する「弁置換手術」が一般的でした。
でも、最近ではもっと負担の少ない治療が出てきているというところまでお話ししましたね。
そして、その治療とは、、、
「経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)」
カテーテルを使用して弁を取り替えてしまうというものです。
具体的には、カテーテルを心臓まで到達させ、そのカテーテルを通して人工的に作られた弁を縮んだ状態で運び、患者さんの大動脈弁のところに内側から埋め込みます。
従来の胸を切り開いて行う手術と比べて負担はかなり少ないものです。
もともとこのカテーテルによるTAVRという治療法は、これまでの通常の手術ではリスクの高い方のために2013年に日本でも認可されました。
これまで日本では年間4000人以上の患者さんに行われていると言われています。
全世界ではこれまで10万人近くの方に行われているとのことです。
初期に比べかなり安全にもなり、多くの研究でも通常の手術に劣らない成績を上げています。
そして、最近では通常の手術ではリスクが大きい方以外に、リスクがさほど大きくない方に対してこのカテーテル治療を行っても術後一年では有効であることが示されているのです。
さらに長期間のデータを蓄積すれば、このカテーテル治療が標準治療に取って代わる時代がくることでしょう。
より患者さんの負担が少ない治療へ、医療の進歩は止まることはないようです。
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