第1316回:コレステロールが高いと言われた人へ
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こんにちは。
船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
今日は、コレステロールを指摘されたの方の生活習慣改善とは?ということについて。
コレステロールを下げるには、コレステロールをたくさん含むものを取らなければいい。
ということで、よく肉や卵を避けましょうと指導されます。
本当でしょうか?
厚生労働省の定める『日本人の食事摂取基準2015年版』では、その目的は国民の健康の保持と増進、生活習慣病の発症予防と重症化予防となっています。
そこでは、栄養のバランスの重要性など様々なことが述べられてはいますが、脂質(コレステロール)の摂取上限は定められていません。
しかし、脂質異常症のガイドラインでは、食事からとるコレステロールの上限は1日200mg以下が望ましいとされています。
ちなみに、日本人の現在のコレステロールの1日平均摂取量は男性で340mg、女性で290mgです。
確かに、コレステロールを200mg以下に制限した食事においてLDLコレステロールの低下を認めたという報告があり、これはこれで無視はできません。
しかし、様々な報告から、コレステロールの摂取量を減らしても血中のコレステロール値が低下するという証拠が十分でないという結果が出ています。
実際に食事から摂取するコレステロールは、体内で合成されるコレステロールの1/3~1/7に過ぎずません。
ですから、確かにしっかり制限をかければ低下することはあるかもしれませんが、それにより代わりに炭水化物などの糖質をとってしまえば意味がありません。
炭水化物などの糖質は、その過剰摂取により高血糖を招きます。
もちろん糖尿病の発症のリスクとなるのですが、実は、それと同時に余った糖質は貯蓄に回すために肝臓で中性脂肪に変化します。
最終的にはお腹のお肉になるわけです。
血中にあるコレステロールの多くは、前述のように食事からのものではなく、肝臓で作られたものです。
そして、その材料の一部が中性脂肪です。
ですから、中性脂肪をいかに体に溜め込まないかということは、コレステロールのコントロールには重要です。
体の中の中性脂肪、その代表格は皆さんのお腹についたお肉ですね。
ですから、体重管理はコレステロール管理にとても重要です。
そういう意味では、日々のバランスのとれた食事、糖質の取りすぎに注意して体の中の中性脂肪を減らすことを意識することがとても大事ですね。
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