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電気自動車とペースメーカー

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電気自動車とペースメーカー

こんにちは。

船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。

 


ペースメーカーは電磁波によって影響を受けることがあります。

 

低周波治療器や高周波治療器、さらには空港の金属探知機などもペースメーカーに危険を及ぼす可能性があり、しようを控えるように指導されています。

 

では、同じ電磁波を発生する電気自動車はどうなのでしょう?

 

電気自動車は当然電磁波を発生しますね。

 

調べてみました。

 

まずは、お手軽に、日本で一番電気自動車を販売しているであろう会社のホームページを見てみました。

すると、『公共交通機関と比べても、同等以下の電磁波レベルであり、心臓ペースメーカーに与える影響は低いです。』とのこと。

 

『影響は低いです』?

低いとはどのくらいなのでしょう?

でも、心臓の医療機器ですから、何だか不安になりますね。

 

というわけで、文献検索です。

すると、、、

『Do Electric Cars Interfere With Pacemakers and Defibrillators? Annals of Internal Medicine, April 2018』

電気自動車のペースメーカーや植え込み型の除細動器(電気ショック治療ができるペースメーカーです)への影響を調べています。

 

結果ですが、、、

電気自動車としては、BMWのi3、日産のリーフ、TeslaのModel 85S、フォルクスワーゲンのe-up!を用いて、各々の磁場の強さを測定しました。

そして、ペースメーカーや植え込み型除細動器の機能についてもドライブ中やチャージ中に車内にいた108人において検討しました。

検討の結果としては、今回検査した4台において、どのペースメーカーや植え込み型除細動器にも影響を及ぼさないということがわかりました。

 

よかった、よかった。

 

でも、ちょっと待ってください。

これはすべての電気自動車とペースメーカーに言えることではないということは忘れてはいけません。

この研究では、将来発売される電気自動車やペースメーカーについて、その影響がないということを保証するものではないのですから。

電気自動車の販売はこの先伸びて行くでしょう。

そして、長寿社会によりペースメーカーを植え込む方も増えることが予想されます。

ですから、お互いの生産者は、個々の会社レベルでの検査にとどまることなく、ある程度共通のガイドラインと検査手法を共に作り出すべきであり、そのためには、(数の面でも種類の面でも)より多くのペースメーカーと電気自動車との影響についての研究が望まれるということになるのでしょう。

将来の電気自動車のバッテリーはさらに巨大化するでしょう。

その時点で全く影響がないとは現時点では言えませんから。

 

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