インフルエンザになると心筋梗塞を起こしやすい?
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こんにちは。
船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。
ついに第100回目を迎えました。
外来で、患者さんから「いつまで続けるの?」と言われ続けております。
さて、今日はインフルエンザは心筋梗塞のリスクとなりうるか?というお話。
もっとも有名な医学雑誌の一つであるNew England Journal of Medicineという雑誌にこのような研究が掲載されていました。
「Kwong JC et al. Acute myocardial infarction after laboratory-confirmed influenza infection. N Engl J Med 2018 Jan 25; 378:345.」
つまりは、インフルエンザにかかると心筋梗塞になりやすいのか?ということを研究したのです。
内容としては、、、
インフルエンザを診断されてから一週間を『インフルエンザが影響する期間』とし、それ以前の1年とそれ以降の1年(約2年)を『インフルエンザの影響がない期間』としました。
そしてインフルエンザが陽性になった方の中で、その前後1年、つまり2年間で心筋梗塞を発症した人は全部で364人いました。
その方々を分析すると、、、
インフルエンザを診断されてから一週間である『インフルエンザが影響する期間』に心筋梗塞を発症した人は20人。
それ以外の『インフルエンザの影響がない期間』に心筋梗塞を発症した人は344人いました。
あれ?
インフルエンザの影響がない期間の方が、発症した人の数がすごく多いですね。
でも、よく考えると、
『インフルエンザが影響する期間』は1週間としていました。その間に発症したのは20人ですから、つまりは『週20人も心筋梗塞を発症した』ということです。
そして、『インフルエンザの影響がない期間』は2年のうち影響する期間である1週間を差し引いた期間ですから、かなり長期になり、計算すると『週3.3人しか心筋梗塞を発症していない』ということになります。
ですから、心筋梗塞の発症はインフルエンザによりそのリスクが6倍以上膨れ上がったということになりますね。
ちなみに、この研究ではそのほかの呼吸器感染症(ほかのウイルスによる風邪など)についても調べていますが、こちらも軒並みリスクが3倍前後に膨れ上がっています。
おそるべしインフルエンザですね。
これは、心臓疾患やそのようなリスクを持つ患者さんにインフルエンザの予防接種をすることの妥当性を示す一つの材料となると思われました。
そして、さらに、そのような患者さんと毎日のように接する我々スタッフもインフルエンザの予防接種をすることにより、少しでも患者さんへのリスクを減らす(患者さんにうつさないようにする)ということの妥当性も示すのではないかと思いました。
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