こんにちは。
船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』副院長の岡本です。
先週は桜が満開で見頃でしたが、雨風が続いて早くも葉桜が目立ってきましたね。
今回も高齢者肺炎球菌ワクチン定期接種の続きの内容です。
制度の変更でわかりにくい点もあり、予測されうる疑問点にQ&A方式でお伝えしていきたいと思います。
※以下、用語のざっくりした整理です。
定期接種:公費(全額もしくは一部)負担で行える予防接種。
任意接種:希望者が任意で原則自己負担で行う接種。
ニューモバックスNP:以前までの定期接種ワクチン
プレベナー20:2026年4月からの定期接種ワクチン。長期の免疫維持を可能にし、1回の接種で済む。
●これまで肺炎球菌の予防接種を受けている人は定期接種の対象となるのか?
→過去に一度でも肺炎球菌ワクチンを接種したことがある方は、今回のプレベナー20を公費で受けることはできません。受ける場合は自己負担で行う任意接種の扱いになります。
●現在65歳を越えているが、今まで肺炎球菌ワクチンの定期接種を受けずにいた。今回の制度変更のタイミングでプレベナー20の接種を公費で受けることは可能か?
→66歳以上でも原則任意接種(公費で受けられない)となります。免疫機能の支障を生じる重篤な疾患があり予防接種が受けられなかった方が、対象期間を過ぎてから定期接種として受けられる長期療養特例という制度はありますが、対象者はかなり限定されます(気になる方は個別にご相談ください)。
●プレベナー20接種の自己負担額は?
→ワクチン接種の自己負担額は定期接種で3500円。任意接種の場合、当院では12000円としています。
●制度変更前のつい最近、ニューモバックスNPの接種を受けている。プレベナー20の接種はすぐ受けることはできるのか?
→ニューモバックスNPの接種後、1年が経過すればプレベナー20の接種を受けることが可能です
実はプレベナー20と同様の結合型(コンジュゲート)ワクチンのキャップバックスが、2025年10月から日本で接種可能となりました。こちらの特徴は、プレベナー20のように原則1回接種で長期免疫が得られることと、重度な肺炎などの原因になりやすい肺炎球菌の血清型の守備範囲が広いことがあります。任意接種扱いになりますが、プレベナー20よりやや費用が高くかかります。
●選択肢が増えるのはいいが結局どうしたらいいの?
→ワクチン接種の目的である肺炎発症や重症化の予防の観点から、
① 今回65歳で定期接種の対象となる方はプレベナー20の接種を
② 66歳以上でこれから初めてワクチン接種を考える方は、予防効果や費用面などの比較してプレベナー20かキャップバックスか選ぶことが勧められます。
③ これまで、ニューモバックスNPを接種した方は、概ね②と同様の考え方になりますが、最終接種から5年以内でまだワクチンの予防効果が見込まれる場合は、下記の理由で様子を見るという選択もあります。
ワクチンが優れていても、個人の健康管理が伴わないと予防効果は薄れてしまいます。事実コロナ流行初期に日本中でマスク着用やソーシャルディスタンスなど感染対策が徹底していた(2020年から数年)おかげで、肺炎球菌由来の肺炎は減少したという報告もあります。
個人の健康管理をぬかりなく行い、しばらく国内でのワクチン使用の様子を見てから決めても遅くはないかもしれません。
焦ってワクチンを接種して後で後悔することが一番避けていただきたいところです。自分はどうしたらいいか困るようでしたら、是非当院でもご相談ください。