いちかわクリニック

いちかわクリニック

第1646回:院長ブログ:肺塞栓症とは? ~突然の息切れや胸の痛み…命に関わることもある病気です~

BLOG

BLOG
ブログ

第1646回:院長ブログ:肺塞栓症とは? ~突然の息切れや胸の痛み…命に関わることもある病気です~

この記事でわかること

✅ 肺塞栓症とは何か

✅ どんな症状が現れるか

✅ 診断方法

✅ 治療と予防法


肺塞栓症とは?

肺塞栓症(はいそくせんしょう)は、足の深部静脈などにできた血栓(血のかたまり)が血流に乗って肺の動脈に詰まる病気です。

肺の血管が詰まると酸素を十分に取り込めなくなり、心臓にも大きな負担がかかります。

重症の場合には、ショックや心停止を起こし、命に関わることもあるため、迅速な診断と治療が必要です。

 

 

 

 

 

 

【図1:肺塞栓症が起こる仕組み】


主な症状

肺塞栓症では、次のような症状が突然現れることがあります。

  • 急な息切れ
  • 胸の痛み(深呼吸で悪化することもあります)
  • 呼吸が苦しい
  • 動悸
  • めまい・失神
  • 血痰(血の混じった痰)

症状の程度は、詰まった血栓の大きさや範囲によって異なります。


肺塞栓症になりやすい人

肺塞栓症の多くは、深部静脈血栓症(DVT)が原因です。

リスクが高いのは、

  • 長時間の飛行機・車での移動
  • 手術後
  • 長期臥床
  • がん
  • 妊娠・産後
  • 肥満
  • 高齢
  • 喫煙
  • 血液が固まりやすい体質

などです。

 

 

 

 

 

 

【図2:肺塞栓症の主な危険因子】


病院ではどんな検査をするの?

肺塞栓症が疑われる場合は、

  • 血液検査(Dダイマー)
  • 心電図
  • 胸部レントゲン
  • 胸部造影CT
  • 心エコー検査
  • 下肢静脈エコー

などを組み合わせて診断します。

特に胸部造影CTは診断に非常に重要な検査です。


治療は?

治療の中心は**抗凝固療法(血液を固まりにくくする治療)**です。

病状によっては、

  • 血栓溶解療法
  • カテーテル治療
  • 外科的治療

が必要になることもあります。

重症例では集中治療室(ICU)での管理が必要になる場合もあります。


予防するには?

肺塞栓症の予防には、原因となる深部静脈血栓症を防ぐことが重要です。

  • 長時間同じ姿勢を避ける
  • 定期的に足を動かす
  • 十分な水分補給
  • 弾性ストッキングの使用(必要な場合)
  • 手術後は医師の指示どおり早期離床する

これらが予防につながります。


当院の考え方

肺塞栓症は、早期診断・早期治療によって救命できる可能性が高まる病気です。

当院では、急な息切れや胸痛などの症状、危険因子を丁寧に評価し、必要に応じて速やかに専門医療機関と連携して診療を行っています。


まとめ

✅ 肺塞栓症は血栓が肺の動脈に詰まる病気

✅ 急な息切れ・胸痛・失神は重要な症状

✅ 胸部造影CTが診断の中心となる

✅ 深部静脈血栓症の予防が肺塞栓症の予防につながる


当院からのメッセージ

急な息切れや胸の痛みは、肺塞栓症をはじめとする重大な病気のサインである可能性があります。

症状が突然現れた場合は、我慢せず、速やかに医療機関を受診してください。


院長のワンポイントアドバイス

片足の腫れがあった後に急な息切れや胸痛が出現した場合は、肺塞栓症を強く疑います。

このような症状がある場合は、様子を見ずに救急受診を検討してください。


あわせて読みたい

  • 深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)とは?
  • Dダイマーとは?
  • 胸が痛いときに考えられる病気
  • 息切れは年齢のせい?心臓が原因の息切れとは
  • 心不全とは?

次回予告

血液サラサラの薬(抗凝固薬)とは?

~ワルファリンやDOACの違い、服用時の注意点、副作用についてわかりやすく解説します。

カテゴリー

最近の投稿

月別アーカイブ

初診ネット受付はこちら