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第563回:診療の惰性(Clinical inertia)で犠牲になるのは患者さんです❷

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第563回:診療の惰性(Clinical inertia)で犠牲になるのは患者さんです❷

こんにちは。船橋駅前の内科・循環器(心臓血管)内科・糖尿病内科『いちかわクリニック』院長の市川です。

 


今日も「Clinical inertia(診療の惰性)」の続きです。

 

Clinical inertiaは、治療目標が達成できていないにも関わらず適切な治療の強化がなされていなことでしたね。

例えば、血圧がまだちょっと高めだけど、適切な指導や場合によっては薬の変更などがなされず、そのままの治療で放置されてしまうといった感じ。

 

これは医師と患者さんのコミュニケーション不足から生じるものではないでしょうか?

このClinical inertiaで犠牲になるのは患者さんです。

 

高血圧や糖尿病などの生活習慣病を放置すればいずれ脳梗塞や心筋梗塞といった動脈硬化などの病気や認知症、さらにガンまでをも引き起こす可能性があるのです。

でも、そうなってしまうまでは高血圧や糖尿病は症状が全くありません。

ですからClinical inertiaが容易に成立してしまう環境でもあります。

 

そうならないためにはどうするべきか?

 

医師は患者さんとのコミュニケーションを密にする必要があります。

例えばコントロール不十分な高血圧の方に対しては、、、

現在の血圧が高いということの共通認識を持っていただき、

その状況を放置すれば今後どのようなことが起こりうるか?

それを改善するにはどのような手段(食生活の改善や薬の変更など)があるのか?

その手段にはどのようなリスクがあるのか?

 

このようなことまで踏み込んでお話ししていく必要があります。

そうすれば患者さんは分かってくれます。

これにより「Clinical inertia」をできるだけ避けることができると思っています。

 

みなさんも、「とりあえず様子みましょう」という言葉に敏感になってください。

本当に様子をみるべき状況なのか?

わからなかったら目の前の医師に聞きましょう。

適切な治療がなされずに放置され、その犠牲となるのは患者さん本人なのですから。

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