第1656回:院長ブログ:心臓カテーテル検査とは? ~冠動脈を詳しく調べる検査。冠動脈CTとの違いも解説~
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✅ 心臓カテーテル検査とは何か
✅ どんなことがわかるのか
✅ 検査はどのように行うのか
✅ 冠動脈CTとの違い
心臓カテーテル検査は、手首や腕、足の付け根などの血管から細い管(カテーテル)を挿入し、心臓や冠動脈を詳しく調べる検査です。
狭心症や心筋梗塞では、心臓の筋肉に血液を送る「冠動脈」が狭くなったり、詰まったりします。
カテーテルを冠動脈の入り口まで進めて造影剤を注入し、X線で撮影することで、冠動脈のどこが、どの程度狭くなっているのかを詳しく確認できます。
この検査を**冠動脈造影検査(CAG)**と呼びます。
心臓カテーテル検査では、
などを詳しく評価できます。
必要に応じて、冠動脈内の圧を測定する検査や血管内画像検査を追加し、その狭窄が本当に心筋への血流を低下させているのかを詳しく調べることもあります。
現在は、手首の橈骨動脈からカテーテルを入れる方法が広く行われています。
手首から行う方法は、足の付け根の大腿動脈から行う方法と比べて、出血などの合併症を減らせることが大きなメリットです。
一方、患者さんの血管の状態や予定している治療内容などによっては、腕や足の付け根から行うこともあります。
一般的には、
① カテーテルを入れる部分を局所麻酔する
② 動脈から細いカテーテルを挿入する
③ カテーテルを冠動脈の入り口まで進める
④ 造影剤を注入してX線撮影する
⑤ カテーテルを抜き、穿刺部を圧迫して止血する
という流れで行います。

【図2:心臓カテーテル検査の流れ】
カテーテルを入れる部分には局所麻酔を行います。
麻酔の注射では多少の痛みがありますが、カテーテルが血管の中を進んでいる感覚は通常ほとんどありません。
造影剤を使用した際に、一時的に体が熱く感じることがあります。
心臓カテーテル検査は日常的に行われている検査ですが、体内にカテーテルを入れる侵襲的な検査です。
まれではありますが、
などの合併症が起こる可能性があります。
そのため、検査によって得られるメリットとリスクを考えて実施することが大切です。
冠動脈CTは、体の外からCT撮影を行うため、比較的負担の少ない検査です。
一方、心臓カテーテル検査は侵襲を伴いますが、冠動脈を詳しく評価でき、さらに大きな特徴があります。
それが、
「必要であれば、そのまま治療につなげられる」
という点です。
重大な狭窄が確認され、治療が必要と判断された場合には、状況に応じて**PCI(経皮的冠動脈インターベンション)**へ進むことがあります。
いいえ。
冠動脈に狭窄があっても、すべての狭窄にステント治療が必要なわけではありません。
症状や狭窄の程度だけでなく、心筋への血流への影響、病変の場所や広がりなどを総合的に判断します。
薬による治療が適している場合もあれば、PCIではなく冠動脈バイパス手術(CABG)が適している場合もあります。
胸痛があるからといって、すべての方に心臓カテーテル検査が必要になるわけではありません。
症状、心電図、心エコー、冠動脈CTなどの結果から必要性を判断し、カテーテル検査が必要と考えられる場合には、適切な専門医療機関へご紹介します。
一方、急性心筋梗塞が疑われるような強い胸痛では、冠動脈CTを経由せず緊急の心臓カテーテル検査・治療が必要になることがあります。
✅ 心臓カテーテル検査は冠動脈を詳しく調べる検査
✅ 手首の動脈から行う方法が広く使われている
✅ 冠動脈CTより侵襲的だが、詳細な評価が可能
✅ 必要な場合はPCIなどの治療につなげることができる
心臓カテーテル検査という名前を聞くと、「怖い検査なのでは?」と不安になる方も少なくありません。
大切なのは、誰にでも行う検査ではなく、必要性を十分に判断したうえで行う検査だということです。
胸の痛みや圧迫感、運動時の息苦しさなどが気になる場合は、まずはご相談ください。
「冠動脈が狭い=必ずステント」ではありません。
カテーテル検査の目的は、単に狭窄を見つけることではなく、その狭窄が症状や心筋虚血の原因になっているのかを評価し、薬物治療・PCI・CABGなどから適切な治療を選ぶことにあります。
~狭くなった冠動脈をカテーテルで広げる治療。バルーンやステントの仕組み、治療後の薬について循環器内科医がわかりやすく解説します。