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第1665回:院長ブログ:心臓を守る生活習慣10か条 ~心筋梗塞・狭心症・心不全を遠ざけるために、今日からできること~

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第1665回:院長ブログ:心臓を守る生活習慣10か条 ~心筋梗塞・狭心症・心不全を遠ざけるために、今日からできること~

この記事でわかること

✅ 心臓病を予防するために重要な生活習慣

✅ 血圧・LDLコレステロール・血糖を管理する理由

✅ 食事・運動・睡眠で気をつけたいこと

✅ 心臓病は「一つの数値」だけでは予防できない理由


心臓病は生活習慣と深く関係しています

心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患には、動脈硬化が深く関係しています。

そして動脈硬化は、

  • 高血圧
  • LDLコレステロール高値
  • 糖尿病
  • 喫煙
  • 肥満
  • 運動不足

など、複数の危険因子が重なることで進みやすくなります。

大切なのは、「血圧だけ」「コレステロールだけ」を見るのではなく、心血管リスクを総合的に下げることです。

今回は心臓シリーズ最終回として、心臓を守るために大切な生活習慣を「10か条」にまとめます。

 

 

 

 

 

 

【図1:心臓を守る生活習慣10か条】


第1条 血圧をきちんと管理する

高血圧は、心筋梗塞・心不全・脳卒中などの重要な危険因子です。

しかも高血圧は、かなり高くなっても自覚症状がないことがあります。

「頭痛がないから大丈夫」ではありません。

健診や診察室の血圧だけでなく、必要に応じて家庭血圧を測定することも非常に重要です。

血圧の目標値は年齢や合併症などによって異なるため、一人ひとりに合わせて考えます。


第2条 LDLコレステロールを放置しない

LDLコレステロールは、動脈硬化性疾患の重要な危険因子です。

LDLが高い状態が長く続くほど、冠動脈にプラークが蓄積しやすくなります。

また、LDLコレステロールは、

「基準値以内なら絶対に安心」

というものではありません。

心筋梗塞や狭心症を起こしたことがある方、糖尿病などを合併している方では、より厳格な管理が必要になる場合があります。


第3条 血糖値・HbA1cを確認する

糖尿病は冠動脈疾患の重要な危険因子です。

血糖値が高い状態が長く続くと、全身の血管が傷つき、動脈硬化が進行しやすくなります。

また、糖尿病では冠動脈疾患があっても、典型的な胸痛を感じにくい場合があります。

血糖値だけでなく、一定期間の血糖状態を反映するHbA1cも確認しましょう。


第4条 たばこを吸わない

喫煙は心臓と血管にとって非常に大きな危険因子です。

喫煙によって、

  • 血管内皮が傷つく
  • 血栓ができやすくなる
  • 動脈硬化が進みやすくなる
  • 冠動脈が収縮しやすくなる

など、さまざまな悪影響が起こります。

本数を減らすだけではなく、禁煙を目指すことが重要です。

すでに心筋梗塞やPCIを経験した方にとっても、禁煙は非常に重要な再発予防です。


第5条 適度な運動を習慣にする

運動には、

  • 血圧の改善
  • 血糖コントロールの改善
  • 体重管理
  • 心肺機能の維持
  • 筋力の維持

など、多くのメリットがあります。

ウォーキングなどの有酸素運動を中心に、無理のない範囲で継続することが大切です。

「週末だけ一気に頑張る」より、日常生活の中で継続できる運動習慣を作ることをおすすめします。

ただし心臓病がある方は、運動の種類や強度について主治医に確認してください。


第6条 食事は「何を減らすか」だけで考えない

心臓を守る食事というと、

「脂っこいものを食べない」

「塩分を減らす」

だけをイメージするかもしれません。

もちろん塩分や過剰なエネルギー摂取に注意することは大切です。

一方で、

  • 野菜
  • 大豆製品
  • 適量の良質な脂質

などを取り入れ、食事全体のバランスを整えることも重要です。

糖尿病や肥満がある場合には、糖質の摂取量にも注意しながら、その方に合った食事内容を考えます。


第7条 適正な体重と筋肉を維持する

肥満、特に内臓脂肪の増加は、

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常症

などにつながり、心血管リスクを高めます。

一方、高齢者では単純に「体重を減らせばよい」とも限りません。

過度な食事制限によって筋肉量が減少すると、フレイルにつながる可能性があります。

大切なのは、余分な脂肪を減らしながら、必要な筋肉を維持することです。


第8条 睡眠を軽視しない

睡眠不足や睡眠の質の低下は、血圧や代謝、食欲などにも影響します。

また、

  • 大きないびき
  • 睡眠中に呼吸が止まる
  • 日中の強い眠気
  • 朝の頭痛

などがある場合には、**睡眠時無呼吸症候群(SAS)**が隠れている可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群は高血圧や心房細動などの心血管疾患とも関連するため、放置しないことが大切です。


第9条 薬を自己判断でやめない

血圧やコレステロールの薬を飲んで数値が良くなると、

「もう治ったから薬はいらない」

と思う方がいます。

しかし、薬を飲んでいるから数値が良くなっている場合もあります。

特に、

  • 抗血小板薬
  • 降圧薬
  • スタチンなどの脂質低下薬
  • 心不全治療薬

などは、病気の再発や進行を防ぐために重要なことがあります。

薬を減らしたい、やめたい、副作用が心配という場合には、自己判断で中止せず医師に相談してください。


第10条 「症状がないから大丈夫」と思わない

高血圧、糖尿病、脂質異常症などは、初期にはほとんど症状がありません。

冠動脈の動脈硬化も、ある程度進行するまで症状が出ないことがあります。

だからこそ、

定期的に血圧・血液検査などを確認し、自分の心血管リスクを知ること

が重要です。

症状が出てから治療するだけではなく、症状がないうちから心臓病を予防するという考え方を持ちましょう。


10個全部を完璧にする必要はありません

ここまで読むと、

「全部やるのは大変そう」

と思うかもしれません。

しかし、重要なのは完璧を目指すことではありません。

たとえば、

血圧を測る

1日少し歩く

たばこをやめる

薬をきちんと飲む

など、改善できるものから始めて構いません。

心臓病の予防は、一日だけ頑張るものではなく、小さな習慣を長く続けることが大切です。

【図2:あなたの心臓リスクをチェック ― 今日から始める10項目】


胸痛・息苦しさがある場合は「生活改善」より受診が先

生活習慣の改善は重要ですが、すでに症状がある場合には話が別です。

特に、

  • 胸の圧迫感・締め付け
  • 胸痛が続く
  • 冷汗を伴う
  • 急な息苦しさ
  • 意識が遠のく
  • 安静にしても改善しない胸部症状

などがある場合には、心筋梗塞などの可能性があります。

強い症状や持続する症状では、通常の外来受診を待たず、119番通報を含めた緊急対応が必要です。


当院の考え方

心臓病の予防では、一つの検査値だけを見るのではなく、

血圧・脂質・血糖・体重・喫煙・運動・睡眠などを総合的に評価すること

が重要です。

健診で「少し高いだけ」と言われた数値でも、複数の危険因子が重なると心血管リスクは高くなることがあります。

まずは内科クリニックでご相談ください。

必要に応じて心電図や各種検査を行い、専門的な評価が必要な場合には循環器専門医療機関へご紹介します。


まとめ

✅ 血圧・LDL・血糖を定期的に確認する

✅ 禁煙は心血管疾患予防の重要な柱

✅ 運動・食事・体重・睡眠も心臓の健康に関係する

✅ 薬を自己判断で中止しない

✅ 症状がなくても危険因子を放置しない


当院からのメッセージ

心筋梗塞や狭心症は、ある日突然発症したように見えても、その背景では長い時間をかけて動脈硬化が進んでいることがあります。

だからこそ、病気になってから治療するだけではなく、病気になる前から血管を守ることが大切です。

今日できる小さなことを一つずつ続けて、将来の心臓と血管を守っていきましょう。


院長のワンポイントアドバイス

心臓を守るために「これだけやれば大丈夫」という一つの方法はありません。

血圧、LDL、血糖、喫煙、運動などの危険因子は互いに影響します。

だからこそ、一つの数値を完璧にするよりも、自分にある危険因子を把握して、全体としてリスクを下げることが重要です。


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心臓シリーズ 全40回 完結

今回で、「胸が痛い」から始まった心臓シリーズ全40回は一区切りです。

胸痛・動悸などの身近な症状から、心電図や心エコーなどの検査、不整脈、冠動脈疾患、PCI・CABG、IVUS・OCT・FFR、そして治療後の二次予防まで解説してきました。

心臓病は「重症になってから病院で治療する」だけのものではありません。

症状に早く気づき、危険因子を早く見つけ、適切に管理する。

それが、心臓と血管を長く守るための基本です。

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