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第1666回:院長ブログ:肥満とは?「太っている」と「肥満症」は何が違う? ~体重だけで判断しない、健康のための肥満の考え方~

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第1666回:院長ブログ:肥満とは?「太っている」と「肥満症」は何が違う? ~体重だけで判断しない、健康のための肥満の考え方~

この記事でわかること

  • 「肥満」と「肥満症」は同じではない
  • BMIだけでは健康状態を判断できない
  • 問題になるのは体重そのものより、肥満による健康への影響
  • 内臓脂肪が生活習慣病と深く関係する
  • 肥満改善の目的は「見た目」ではなく「将来の病気を防ぐこと」

「太っている=病気」ではありません

健康診断で体重やBMIを指摘され、

「自分は肥満だから病気なのだろうか?」

と心配される方は少なくありません。

しかし、医学的には**「肥満」と「肥満症」は区別して考えます。**

肥満は、単に体重が重いことを意味するのではなく、体脂肪が過剰に蓄積した状態です。

一方の「肥満症」は、肥満があり、それによって健康上の問題が生じている、あるいは医学的に減量が必要と判断される状態です。

つまり、

肥満=体の状態
肥満症=治療の対象となる病気

と考えるとわかりやすいでしょう。


BMIとは?

肥満を評価するときによく使われるのが**BMI(Body Mass Index)**です。

計算方法は、

BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)

です。

日本では一般に、BMI 25以上を肥満と判定します。

ただし、ここで非常に重要なのは、

BMIだけでは、その人が健康かどうかまではわからない

ということです。

筋肉量が多い人ではBMIが高くなることがありますし、反対にBMIがそれほど高くなくても内臓脂肪が多く、糖尿病や高血圧などのリスクが高い人もいます。

 

 

 

 

 

 

【図1:肥満と肥満症の違い ― BMIだけでは決まらない】


本当に注意したいのは「内臓脂肪」

脂肪には大きく、

皮下脂肪内臓脂肪

があります。

特に生活習慣病との関係で重要なのが、腹部の臓器周囲に蓄積する内臓脂肪です。

内臓脂肪が増えると、体内の代謝やホルモン環境に影響し、インスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」などを介して、

高血圧、糖尿病、脂質異常症、脂肪肝などにつながりやすくなります。

さらに、こうした危険因子が重なることで、将来的な動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などのリスクにも関係してきます。

だからこそ、肥満を考えるときは体重計の数字だけを見るのでは不十分なのです。


肥満症とは?

肥満症は、日本肥満学会の考え方では、肥満があり、さらに肥満に関連する健康障害がある、または内臓脂肪の蓄積が認められ、医学的に減量を必要とする状態として診断されます。

たとえば肥満に、

  • 高血圧
  • 2型糖尿病・耐糖能異常
  • 脂質異常症
  • 脂肪肝
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 高尿酸血症・痛風

などが伴っている場合には、単に「少し太っている」という問題ではなく、医学的な評価が重要になります。


「何kgなら健康?」だけでは考えない

患者さんから、

「結局、何kgまで痩せればいいですか?」

と聞かれることがあります。

もちろん体重は重要な指標ですが、健康管理では体重だけを目標にする必要はありません。

体重・BMI・腹囲・血圧・血糖・脂質・肝機能などを総合的に見ることが大切です。

体重が大幅に減らなくても、生活習慣を改善することで、血圧や血糖、中性脂肪などが改善することもあります。

肥満治療の目的は、単に「細くなること」ではありません。

将来の病気を減らし、健康に生活できる期間を長くすることが本来の目的です。


「見た目の肥満」と「医学的な肥満」を分けて考える

ここは非常に大切です。

医学は、

「太っているから悪い」

と外見を評価しているわけではありません。

同じ体重でも、

内臓脂肪は多いのか
筋肉は十分あるのか
血圧は高くないか
血糖は正常か
脂質異常はないか
脂肪肝はないか

によって健康リスクは異なります。

だからこそ、体重だけを見て一喜一憂するより、自分の体の中で何が起きているかを知ることの方が重要なのです。

 

 

 

 

 

 

【図2:「体重」だけではわからない肥満リスク ― BMI・腹囲・血圧・血糖・脂質を総合評価】


当院の考え方

肥満・メタボの診療で大切なのは、単に「痩せてください」と言うことではないと考えています。

食事、運動、筋肉量、睡眠、飲酒、仕事や生活リズムなど、体重が増える背景は一人ひとり異なります。

また、肥満の背景に高血圧、糖尿病、脂質異常症、脂肪肝などが隠れていないかを確認することも重要です。

「最近体重が増えてきた」
「お腹まわりが気になる」
「健診でメタボと言われた」

という段階から、まずは内科クリニックへご相談ください。

必要に応じて専門医療機関へご紹介します。


まとめ

肥満とは、単純に「体重が重いこと」ではなく、体脂肪が過剰に蓄積した状態です。

そして肥満によって健康障害が生じている、あるいは医学的に減量が必要な状態が肥満症です。

大切なのは、

「何kgあるか」だけではなく、「その体重が健康にどのような影響を与えているか」

を見ることです。

肥満・メタボ対策のゴールは、見た目を変えることではありません。

高血圧、糖尿病、脂質異常症、心血管疾患などを予防し、健康な将来につなげること。

この視点から、これから40回にわたって肥満とメタボを詳しく解説していきます。


当院からのメッセージ

体重は健康を考えるための一つの指標ですが、それだけが健康の成績表ではありません。

「BMIが高かったから、とにかく体重を落とさなければ」と考える前に、血圧・血糖・脂質・腹囲なども含めて、自分の状態を確認することから始めましょう。


院長のワンポイントアドバイス

「体重を減らすこと」を最終目的にしないことが、肥満対策を長く続けるコツです。

見るべきなのは体重だけではありません。

内臓脂肪を減らし、筋肉を守り、血圧・血糖・脂質を改善する。

この考え方を持つと、健康のために「何をすればよいか」がずっとわかりやすくなります。


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