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第1671回:院長ブログ:年齢とともに太りやすくなるのはなぜ?基礎代謝と筋肉の関係 ~「昔と同じように食べているのに太る」には理由があります~

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第1671回:院長ブログ:年齢とともに太りやすくなるのはなぜ?基礎代謝と筋肉の関係 ~「昔と同じように食べているのに太る」には理由があります~

この記事でわかること

  • 年齢とともに太りやすく感じる理由
  • 基礎代謝とは何か
  • 「加齢=基礎代謝が激減する」とは限らない
  • 筋肉量が体重管理で重要な理由
  • 中年以降にお腹まわりが増えやすい理由
  • 筋肉を守りながら内臓脂肪を減らす方法

「若いころと同じなのに太る」は本当?

40代、50代になると、

「食べる量は若いころと変わらないのに太る」

「昔なら少し食事を減らせばすぐ戻ったのに、最近は痩せない」

「体重はそれほど変わらないのに、お腹だけ出てきた」

という相談が増えてきます。

そこでよく言われるのが、

「年齢とともに基礎代謝が落ちるから仕方ない」

という説明です。

確かに加齢は体重や体組成に影響します。

しかし、中年以降の体重増加を基礎代謝だけで説明するのは不十分です。

実際には、

筋肉量・身体活動量・食生活・睡眠・飲酒・生活環境

など、さまざまな変化が重なっています。


そもそも「基礎代謝」とは?

基礎代謝とは、簡単にいえば、

何もしていなくても生命を維持するために使われるエネルギー

です。

私たちは寝ている間も、

心臓を動かす
呼吸する
体温を維持する
脳や内臓を働かせる

ためにエネルギーを使っています。

つまり、ソファでじっとしていてもエネルギー消費はゼロにはなりません。

そして基礎代謝は、1日の総エネルギー消費の中でも大きな割合を占めています。


年を取ると基礎代謝はどんどん落ちる?

ここには少し誤解があります。

「30歳を過ぎると毎年どんどん代謝が落ちる」といった説明を見かけることがありますが、成人期のエネルギー代謝は年齢だけで単純に急低下するものではありません。

体格や体組成を考慮すると、成人期の代謝は長期間比較的安定していることを示した研究もあります。

一方で実生活では、年齢とともに、

筋肉量が減る
歩く量が減る
座っている時間が増える
運動習慣がなくなる

といった変化が起こりやすくなります。

つまり、

「年齢そのもの」だけでなく、「年齢とともに変化した生活と体組成」

を見ることが重要です。


筋肉が減ると何が起こる?

中年以降の体重管理で重要なのが筋肉量です。

筋肉は体を動かすだけの組織ではありません。

糖を取り込み、エネルギーを使う重要な組織でもあります。

筋肉量が減り、同時に身体活動量も減ると、1日のエネルギー消費が少なくなりやすくなります。

さらに、筋肉が減って脂肪が増えると、

体重はそれほど変わらないのに、体脂肪率や腹囲が増える

ということも起こります。

これが、

「体重は昔とほぼ同じなのに体型が変わった」

という現象の一つの理由です。

 

 

 

 

 

 

【図1:年齢とともに変わる体 ― 筋肉↓・活動量↓・内臓脂肪↑の関係】


体重が同じでも「中身」が変わる

たとえば、若いころと現在の体重がともに70kgだったとしても、

若いころ
筋肉が多い+脂肪が少ない

現在
筋肉が少ない+脂肪が多い

ということがあります。

体重計ではどちらも「70kg」です。

しかし、体の中身は同じではありません。

そのため中年以降では、

体重だけでなく、腹囲や体組成の変化を見る

ことが重要になります。

特に、体重があまり変わらないのにウエストが増えている場合は注意したい変化です。


なぜお腹まわりが増えてくる?

中年以降では、体脂肪の量だけでなく脂肪のつき方も重要です。

特に内臓脂肪が増えると、

高血圧
高血糖
脂質異常
脂肪肝

などの生活習慣病につながりやすくなります。

「体重は3kgしか増えていないから大丈夫」と考えるより、

「腹囲はどう変化したか」

にも注目してください。

肥満・メタボ対策では、体重そのものよりも内臓脂肪の増加を防ぐことが重要な場合があります。


日常生活で「動かなくなる」影響は大きい

若いころと現在を比べてみてください。

以前は、

駅まで歩いていた
階段を使っていた
仕事中に動いていた
休日によく外出していた

のに、現在は、

車移動が増えた
エレベーターを使う
デスクワークが中心
休日は家で過ごす

という変化はないでしょうか。

こうした日常生活での活動によるエネルギー消費は、**NEAT(非運動性活動熱産生)**と呼ばれます。

運動をしているかどうかだけではなく、

一日を通してどれくらい動いているか

も体重管理では非常に重要です。


「運動しているから大丈夫」とも限らない

週末に1時間運動していても、平日のほとんどを座って過ごしていれば、日常の身体活動量は十分でないことがあります。

反対に、スポーツをしていなくても、

歩く
立つ
階段を使う
家事をする
買い物に行く

といった活動を積み重ねている人は、日常的にエネルギーを消費しています。

中年以降では、

「運動する時間を作る」+「普段から動く」

という両方の視点が大切です。


中年以降のダイエットで注意したいこと

「痩せにくくなったから」と、極端に食事量を減らすことには注意が必要です。

摂取エネルギーを大幅に減らして急激に体重を落とすと、脂肪だけでなく筋肉も失う可能性があります。

特に中高年では、

体重は減ったけれど筋肉も減った

という状態をできるだけ避けたいところです。

目標は、

体重を軽くすること

だけではありません。

余分な脂肪、とくに内臓脂肪を減らしながら、必要な筋肉を維持すること

です。


筋肉を守るために大切な3つ

① 筋肉に刺激を入れる

ウォーキングなどの有酸素運動に加えて、無理のない範囲で筋力トレーニングを取り入れることが役立ちます。

スクワットなど、自宅でできる運動でも構いません。

② タンパク質を意識する

減量中でも、肉、魚、卵、大豆製品などから必要なタンパク質を確保することが重要です。

ただ食事量を減らすのではなく、何を残すかを考えます。

③ 日常生活で動く

エレベーターではなく階段を使う、短距離なら歩く、座りっぱなしの時間を減らすなど、小さな活動を積み重ねます。

【図2:40代・50代からの「太りにくい体」をつくる5つの習慣 ― 筋肉・歩行・食事・睡眠・体重管理】


睡眠も忘れない

中年になると仕事や家庭環境の影響で、睡眠時間が短くなったり生活リズムが不規則になったりすることがあります。

睡眠不足は食欲や食行動に影響し、体重管理を難しくする要因の一つです。

また、肥満が進むと睡眠時無呼吸症候群が起こりやすくなり、睡眠の質がさらに低下することもあります。

食事と運動だけでなく、

「きちんと眠れているか」

も確認しましょう。


「年齢のせい」と諦めなくていい

加齢そのものを止めることはできません。

しかし、

筋肉量
身体活動量
食事
睡眠
飲酒習慣

は変えることができます。

つまり、

「50代だから痩せない」

ではなく、

「50代の体に合った体重管理へ変える」

という考え方が大切です。

若いころと同じ方法にこだわる必要はありません。


当院の考え方

中年以降の肥満・メタボ対策では、単に体重を落とすことよりも、

内臓脂肪を減らしながら筋肉を維持する

ことが重要です。

そのためには、体重だけでなく、

腹囲・血圧・血糖・HbA1c・脂質・肝機能

なども一緒に確認します。

「最近お腹だけ出てきた」

「昔と同じ食事なのに体重が増える」

「健診の数字が少しずつ悪くなってきた」

という場合には、まずは内科クリニックへご相談ください。

必要に応じて専門医療機関へご紹介します。


まとめ

年齢とともに太りやすく感じる背景には、

基礎代謝だけではなく、筋肉量や身体活動量、食事、睡眠などの変化

が関係しています。

特に中年以降では、

筋肉↓ + 活動量↓ + 内臓脂肪↑

という変化に注意が必要です。

だからこそ、

食事だけを極端に減らすのではなく、筋肉を守りながら余分な脂肪を減らす。

これが中年以降の肥満・メタボ対策の基本です。


当院からのメッセージ

「若いころと同じ体重に戻す」ことだけを目標にする必要はありません。

大切なのは、

今の年齢で健康な体をつくること。

体重だけでなく、腹囲・筋肉・血圧・血糖・脂質などを見ながら、無理なく続けられる生活習慣を作っていきましょう。


院長のワンポイントアドバイス

中年以降の体重管理では、体重計の数字だけを減らそうとしないことです。

ウォーキングに加えて筋肉への刺激を入れ、必要なタンパク質をとり、普段からよく動く。

目指したいのは、

「軽い体」だけではなく、「脂肪が少なく、筋肉を保った体」

です。


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