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第1667回:院長ブログ:BMIとは?体重だけではわからない肥満の考え方 ~同じBMIでも健康リスクが違うのはなぜ?~

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第1667回:院長ブログ:BMIとは?体重だけではわからない肥満の考え方 ~同じBMIでも健康リスクが違うのはなぜ?~

この記事でわかること

  • BMIとは何を表す数字なのか
  • BMIの計算方法と日本での一般的な判定
  • 同じBMIでも健康リスクが違う理由
  • BMIが正常でも注意したい「隠れ肥満」
  • BMIと一緒に確認したい検査・指標

健診で必ず見る「BMI」とは?

健康診断の結果を見ると、

BMI 22.8
BMI 26.1

などの数字が書かれています。

「25を超えたから痩せなければ」と考える方も多いでしょう。

BMI(Body Mass Index:体格指数)は、身長と体重のバランスから体格を評価する指標です。

世界中で広く使われており、肥満を見つけるための非常に便利な指標です。

しかし、BMIには大きな特徴があります。

BMIは「体重」を見ていますが、「体の中身」までは見ていません。

ここを理解することが、肥満を正しく考える第一歩です。


BMIはどうやって計算する?

BMIは次の式で計算します。

BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)

たとえば、

身長170cm、体重70kgなら、

70 ÷ 1.7 ÷ 1.7 ≒ 24.2

となります。

日本では一般に、

  • BMI 18.5未満:低体重
  • BMI 18.5以上25未満:普通体重
  • BMI 25以上:肥満

と判定します。

ただし、「BMI 25を超えた=すぐ病気」という意味ではありません。

BMIはあくまで、さらに健康状態を確認するための入口です。


なぜBMIだけでは不十分なの?

最大の理由は、BMIでは

「その体重が何でできているのか」

がわからないからです。

たとえば、身長と体重がまったく同じ2人がいたとします。

一人は筋肉量が多く、体脂肪が少ない。

もう一人は筋肉量が少なく、内臓脂肪が多い。

この2人はBMIがまったく同じになる可能性があります。

しかし、体の中身は大きく違います。

内臓脂肪が多い人では、インスリン抵抗性、高血圧、血糖異常、脂質異常などの生活習慣病につながりやすくなります。

つまり、

BMIが同じ=健康リスクも同じ

ではありません。

 

 

 

 

 

 

【図1:同じBMIでも「体の中身」は違う ― 筋肉・皮下脂肪・内臓脂肪を比較】


BMIが正常なら安心?

ここにも注意が必要です。

BMIが25未満でも、内臓脂肪が多かったり、筋肉量が少なかったりすることがあります。

いわゆる**「隠れ肥満」**と呼ばれる状態です。

見た目はそれほど太っていなくても、

  • 腹囲が増えてきた
  • 血圧が高くなった
  • 血糖値やHbA1cが上がってきた
  • 中性脂肪が高い
  • HDLコレステロールが低い
  • 脂肪肝を指摘された

といった変化があれば、BMIだけを見て「正常だから大丈夫」と判断しない方がよいでしょう。


逆にBMIが高くても、すべて同じではない

反対に、BMIが高い人も全員が同じ状態ではありません。

たとえば筋肉量の多いスポーツ選手では、体脂肪がそれほど多くなくても体重が重いためBMIが高くなることがあります。

また、同じ肥満でも、

皮下脂肪が中心なのか、内臓脂肪が多いのか

によって代謝への影響は異なります。

ですからBMIは、

「高い・低い」だけで終わらせず、その理由を考える

ことが大切です。


BMIと一緒に何を見ればいい?

肥満による健康リスクを評価するときは、BMIに加えていくつかの情報を組み合わせます。

① 腹囲

お腹まわりは、内臓脂肪蓄積を推測するための重要な手がかりです。

以前よりベルトがきつくなった、ズボンのウエストが入らなくなったという変化も、体重とは別の重要なサインです。

② 血圧

肥満、とくに内臓脂肪の増加は高血圧と深く関係します。

健診だけでなく、必要に応じて家庭血圧を確認することも重要です。

③ 血糖・HbA1c

内臓脂肪が増えるとインスリンが効きにくくなり、血糖値が上昇しやすくなります。

④ 脂質

中性脂肪、LDLコレステロール、HDLコレステロールなどを確認します。

⑤ 肝機能・脂肪肝

肥満や内臓脂肪の蓄積は脂肪肝とも密接に関係します。

つまり、

BMI+腹囲+血圧+血糖+脂質+肝臓

というように、体全体を見て判断することが大切なのです。

 

 

 

 

 

 

【図2:BMIだけで判断しない!肥満リスクを総合的に評価する6つのポイント】


BMIは「役に立たない数字」ではありません

ここまで読むと、

「ではBMIは意味がないのでは?」

と思うかもしれません。

そうではありません。

BMIには、

簡単に計算できる
特別な検査がいらない
長期的な体重変化を追いやすい

という大きなメリットがあります。

たとえばBMIが長年22前後だった人が、数年間で26まで上昇したとすれば、その変化自体が重要な情報になります。

ですからBMIは、

健康を判断する「答え」ではなく、健康状態を考えるための「入口」

として非常に有用です。


「BMI 22が理想」は全員に当てはまる?

日本ではBMI 22が一つの目安として知られています。

ただし、すべての人がBMI 22を目指さなければならないわけではありません。

年齢、筋肉量、体脂肪の分布、持病、現在の体重などによって、適切な体重管理の考え方は変わります。

特に中高年以降では、体重だけを急激に落とそうとして筋肉まで減らしてしまうことには注意が必要です。

大切なのは、

体脂肪、とくに内臓脂肪を減らしながら、必要な筋肉を守ること

です。


体重の「変化」も重要

現在のBMIだけでなく、

「以前と比べてどう変化したか」

も重要です。

若いころからBMI 24前後だった人と、長年BMI 20だった人が短期間で24になった場合では、同じBMIでも意味が違います。

特に、

「ここ数年でお腹だけ出てきた」

「体重はそれほど変わらないのにズボンがきつい」

という場合には、筋肉量の減少と内臓脂肪の増加が同時に起こっている可能性もあります。

健康診断では、今年の数字だけでなく過去数年の推移を見る習慣をつけましょう。


当院の考え方

肥満・メタボの診療では、BMIだけを見て「痩せましょう」と判断するのでは不十分です。

BMIが高くても、まず、

腹囲はどうか
血圧はどうか
血糖・HbA1cはどうか
脂質はどうか
脂肪肝はないか

などを確認します。

逆にBMIが正常範囲でも、こうした項目に異常があれば生活習慣を見直す意味があります。

健診でBMIや腹囲を指摘されたら、まずは内科クリニックへご相談ください。

必要に応じて専門医療機関へご紹介します。


まとめ

BMIは、身長と体重から肥満度を評価する非常に便利な指標です。

しかし、

BMIだけでは筋肉量も、内臓脂肪も、生活習慣病のリスクもわかりません。

重要なのは、

BMI × 腹囲 × 血圧 × 血糖 × 脂質 × その他の健康状態

を総合的に見ることです。

そしてもう一つ大切なのが、現在の数字だけでなく、数年間の変化を見ること。

「BMIが正常だから安心」

「BMIが25を超えたから不健康」

という単純な判断から一歩進んで、自分の体の中身を見るための入口としてBMIを使うことが大切です。


当院からのメッセージ

健康診断のBMIは、単なる「太っている・痩せている」の判定ではありません。

去年、一昨年の結果と並べてみてください。

体重、BMI、腹囲、血圧、血糖、脂質がどのように変化しているでしょうか。

小さな変化に早く気づくことが、生活習慣病を防ぐ第一歩です。


院長のワンポイントアドバイス

体重計に乗ったとき、体重だけでなく「お腹まわり」と「筋肉」も意識してください。

健康のための体重管理で目指したいのは、単純に数字を小さくすることではありません。

余分な内臓脂肪を減らし、必要な筋肉を維持する。

これが、肥満・メタボ対策の基本です。


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内臓脂肪と皮下脂肪の違い|危険なのはどっち?

同じ「体脂肪」でも、お腹の中につく脂肪と皮膚の下につく脂肪では、健康への影響が違います。

次回は、なぜ内臓脂肪が高血圧・糖尿病・脂質異常症などにつながりやすいのかを、わかりやすく解説します。

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