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第1668回:院長ブログ:内臓脂肪と皮下脂肪の違い|危険なのはどっち? ~同じ「お腹の脂肪」でも、健康への影響は違います~

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第1668回:院長ブログ:内臓脂肪と皮下脂肪の違い|危険なのはどっち? ~同じ「お腹の脂肪」でも、健康への影響は違います~

この記事でわかること

  • 内臓脂肪と皮下脂肪の違い
  • なぜ内臓脂肪の方が生活習慣病と深く関係するのか
  • 「内臓脂肪型肥満」とは何か
  • 痩せて見えても内臓脂肪が多いことがある
  • 内臓脂肪を減らすために大切なこと

体脂肪は全部同じではありません

「お腹に脂肪がついてきた」

というとき、その脂肪には大きく分けて、

皮下脂肪
内臓脂肪

の2種類があります。

どちらもエネルギーを蓄える脂肪ですが、つく場所も健康への影響も同じではありません。

特に高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を考えるうえで重要なのが、内臓脂肪です。


皮下脂肪とは?

皮下脂肪はその名前の通り、皮膚のすぐ下に蓄積する脂肪です。

お腹だけでなく、お尻、太もも、二の腕などにもつきます。

指でお腹のお肉をつまんだとき、つまめる部分の多くは皮下脂肪です。

皮下脂肪にはエネルギーを蓄えるだけでなく、体温を保ったり、外部からの衝撃を和らげたりする役割もあります。

もちろん過剰に増えれば体重増加や関節への負担などにつながりますが、代謝異常との関連は一般に内臓脂肪の方が強いと考えられています。


内臓脂肪とは?

内臓脂肪は、お腹の中で腸などの臓器の周囲に蓄積する脂肪です。

皮膚のすぐ下にあるわけではないため、外からつまむことはできません。

内臓脂肪が多くなると、お腹全体が前にせり出したような体型になることがあります。

一般に、

「リンゴ型肥満」
「内臓脂肪型肥満」

などと表現されるタイプです。

一方、お尻や太ももなど下半身を中心に皮下脂肪が多くつく体型は「洋ナシ型」と呼ばれることがあります。

ただし、見た目だけで内臓脂肪量を正確に判断することはできません。

 

 

 

 

 

 

【図1:内臓脂肪と皮下脂肪はどこにつく?― お腹の断面で比較】


なぜ内臓脂肪が問題なの?

内臓脂肪は、単なる「余ったエネルギーの倉庫」ではありません。

脂肪組織は、体内の代謝に関係するさまざまな物質を分泌する活発な組織でもあります。

内臓脂肪が過剰に蓄積すると、脂肪組織から放出される脂肪酸や生理活性物質のバランスなどが変化し、

インスリン抵抗性

が起こりやすくなります。

インスリン抵抗性とは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが十分に働きにくくなる状態です。

その結果、

血糖が上がりやすくなる
中性脂肪などの脂質代謝が乱れる
血圧が上がりやすくなる

など、複数の代謝異常が重なりやすくなります。

これが、内臓脂肪がメタボリックシンドロームの中心に位置づけられている大きな理由です。


内臓脂肪 → メタボ → 動脈硬化

内臓脂肪が増えると、

内臓脂肪の蓄積

インスリン抵抗性などの代謝異常

高血圧・高血糖・脂質異常などが重なる

動脈硬化が進みやすくなる

という流れが生じます。

そして長期間にわたって動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患につながる可能性があります。

重要なのは、一つひとつの検査値がそれほど高くなくても、複数のリスクが重なることです。

これがメタボリックシンドロームを早い段階で見つける意味でもあります。

【図2:内臓脂肪から生活習慣病へ ― インスリン抵抗性・高血圧・高血糖・脂質異常のつながり】


痩せて見えても内臓脂肪は多いことがある

「私はそれほど太っていないから大丈夫」

とは限りません。

BMIが普通体重の範囲でも、

  • 運動不足
  • 筋肉量の減少
  • 飲酒習慣
  • 食生活の乱れ
  • 加齢による体組成の変化

などによって、お腹まわりの脂肪が増えていることがあります。

体重がほとんど変わっていなくても、

「昔よりズボンのウエストがきつくなった」

という変化は見逃せません。

体重だけでなく、腹囲の変化にも注目することが大切です。


内臓脂肪はどうやって調べる?

内臓脂肪を正確に評価する方法の一つが、腹部CTなどによる画像評価です。

ただし、すべての人にCT検査が必要なわけではありません。

日常診療や健康診断では、

BMI、腹囲、血圧、血糖、脂質、肝機能など

を組み合わせて、内臓脂肪蓄積やそれに伴う健康リスクを評価していきます。

特に「体重はそれほど増えていないのに腹囲が増えた」という場合には、体組成の変化を考えるきっかけになります。


内臓脂肪は減らせる?

ここは重要なポイントです。

内臓脂肪は生活習慣の影響を受けやすく、食事や運動による減量で減少が期待できます。

したがって、

「内臓脂肪が多いと言われたから、もう手遅れ」

ということではありません。

むしろ、生活習慣を見直す意味が大きい状態です。

基本となるのは、

食事を見直す
身体活動を増やす
筋肉を維持する
睡眠を整える
飲酒量を見直す

といった取り組みです。

極端な食事制限で短期間に体重を落とすことより、続けられる方法で内臓脂肪を減らしていくことが重要です。


体重より「ウエストの変化」を見てみよう

家庭でできる簡単な方法の一つが、定期的に腹囲を確認することです。

毎日測定する必要はありません。

体重とともに、

「数か月前よりウエストが増えていないか」

を確認してみてください。

体重が同じでも、

筋肉が減って脂肪が増える

という変化は起こります。

そのため、体重計の数字だけを追い続けるよりも、体重+腹囲+健診結果を一緒に見る方が健康管理には役立ちます。


当院の考え方

肥満・メタボの診療では、「何kgあるか」だけでなく、脂肪がどこについているか、その結果として何が起きているかを見ることが重要です。

特に、

  • 腹囲が増えてきた
  • 血圧が高くなってきた
  • 血糖・HbA1cを指摘された
  • 中性脂肪が高い
  • 脂肪肝を指摘された

といった変化が重なっている場合には、内臓脂肪を含めた生活習慣病リスクを考える必要があります。

健診で腹囲や生活習慣病関連の項目を指摘されたら、まずは内科クリニックへご相談ください。

必要に応じて専門医療機関へご紹介します。


まとめ

体脂肪には大きく、

皮下脂肪内臓脂肪

があります。

どちらも過剰になれば問題になりますが、生活習慣病との関連で特に重要なのが内臓脂肪です。

内臓脂肪が増えると、インスリン抵抗性などを介して、

高血圧・高血糖・脂質異常

などが重なりやすくなり、長期的には動脈硬化や心血管疾患のリスクにもつながります。

だからこそ、

「体重が何kgか」だけでなく、「お腹の中にどれくらい脂肪がたまっている可能性があるか」

という視点が重要なのです。


当院からのメッセージ

肥満対策というと「体重を減らすこと」に目が向きがちです。

しかし健康という観点では、単純な体重よりも内臓脂肪を減らすことが重要な場合があります。

体重だけではなく、

腹囲・血圧・血糖・脂質などの変化

を一緒に見ていきましょう。


院長のワンポイントアドバイス

以前の健康診断結果が残っていたら、体重と腹囲を数年分並べてみてください。

「体重はほぼ同じなのに、腹囲だけ増えている」

という変化が見つかることがあります。

体重だけでは見えない体組成の変化に気づく、非常に簡単な方法です。


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「お腹が出ている=メタボ」ではありません。

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