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第1659回:院長ブログ:IVUS(血管内超音波)とは? ~冠動脈を「内側から見る」検査。ステント治療をより正確に行うために~

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第1659回:院長ブログ:IVUS(血管内超音波)とは? ~冠動脈を「内側から見る」検査。ステント治療をより正確に行うために~

この記事でわかること

✅ IVUSとはどんな検査か

✅ 冠動脈造影との違い

✅ IVUSでプラークの何がわかるのか

✅ PCI・ステント治療でIVUSが重要な理由


IVUSとは?

IVUS(Intravascular Ultrasound:血管内超音波)は、冠動脈の中に非常に細い超音波カテーテルを入れ、血管を内側から観察する検査です。

日本語では「血管内超音波検査」と呼ばれます。

通常の心臓カテーテル検査では、造影剤を冠動脈へ流してX線撮影を行い、血管の形を確認します。

一方IVUSでは、超音波を使って血管を輪切りにしたような断面画像を見ることができます。

これにより、冠動脈造影だけでは十分にわからない血管壁やプラークの状態まで詳しく評価できます。

 

 

 

 

 

 

【図1:IVUSで冠動脈を内側から見る仕組み】


冠動脈造影だけではわからないことがある

冠動脈造影(CAG)は、冠動脈の狭窄を評価する非常に重要な検査です。

ただし、造影検査で主に見ているのは、造影剤が流れる血管内腔のシルエットです。

そのため、

「血管そのものはどれくらい太いのか」

「血管壁にどのくらいプラークがたまっているのか」

「石灰化はどの程度あるのか」

といった情報は、造影画像だけでは十分に判断できない場合があります。

そこでIVUSが役立ちます。


IVUSでは何がわかる?

IVUSを使用すると、

  • 血管の太さ
  • 血管内腔の広さ
  • プラークの量や分布
  • 石灰化の程度
  • 病変の長さ
  • ステントを入れる位置

などを詳しく評価できます。

特にPCIを行う際には、**「どのくらいの太さ・長さのステントを選ぶか」**を決めるための重要な情報になります。


プラークは血管の中に飛び出すだけではない?

動脈硬化というと、「血管の内側に脂肪がたまって、だんだん通り道が狭くなる」というイメージがあるかもしれません。

しかし実際には、プラークが増える過程で血管自体が外側へ広がり、血液の通り道をある程度保とうとすることがあります。

そのため、冠動脈造影ではそれほど狭く見えなくても、血管壁には多くのプラークが存在していることがあります。

IVUSは血管壁まで観察できるため、このような動脈硬化の状態を評価するのにも役立ちます。


PCIでIVUSを使う理由

IVUSが特に活躍するのが、前回ご紹介した**PCI(冠動脈ステント治療)**です。

PCIではステントを入れて終わりではありません。

ステントが、

  • 適切な位置に入っているか
  • 十分に広がっているか
  • 血管壁にきちんと接しているか
  • ステントの端に問題がないか

などを確認することが重要です。

IVUSを使用すれば、ステントを血管の内側から確認できるため、より適切なPCIを行うための重要なガイドになります。

 

 

 

 

 

 

 

【図2:PCIでIVUSを使う理由 ― ステント留置前・留置後のチェック】


ステントが十分に広がっていないと?

ステントが十分に拡張していなかったり、血管壁に適切に接していなかったりすると、その後のトラブルにつながる可能性があります。

そこでIVUSで確認し、必要であればバルーンを使って追加拡張を行います。

つまりIVUSは、

「ステントを入れるための検査」だけではなく、「ステントが適切に入ったことを確認する検査」

でもあります。


IVUSは痛い?

IVUSは通常、心臓カテーテル検査やPCIの途中で行われます。

すでに血管内にカテーテルが入っている状態で、そこから細いIVUSカテーテルを冠動脈内へ進めます。

そのため、IVUSそのものによる痛みを感じることは通常ほとんどありません。

ただし、冠動脈内へ器具を入れる検査ですので、まれに血管損傷や冠攣縮などの合併症が起こる可能性があります。


IVUSを使えばステントが必要かどうかもわかる?

ここは少し注意が必要です。

IVUSは、血管の形態を詳しく調べる検査です。

一方、「その狭窄によって心筋への血流が本当に不足しているのか」を調べるには、FFRなどの冠動脈の生理学的評価が役立ちます。

つまり、

IVUS → 血管の「形」を詳しく見る

FFR → 狭窄が血流に与える「影響」を調べる

という違いがあります。

両者は競合する検査ではなく、それぞれ違った情報を得るための検査です。


OCTとの違いは?

IVUSと同じように冠動脈の中を見る検査として、**OCT(光干渉断層法)**があります。

IVUSが「超音波」を使用するのに対し、OCTは「近赤外線」を使用します。

OCTは非常に高い解像度で血管表面やステントの状態を観察できることが特徴です。

一方、IVUSには血管の深い部分まで評価しやすいなどの特徴があります。

目的や病変によって使い分けられます。


当院の考え方

心臓カテーテル治療は、単に「造影写真を見て狭いところにステントを入れる」だけの治療ではありません。

冠動脈の状態を正確に把握し、必要な病変に適切な治療を行うことが重要です。

IVUSはそのための非常に有用な検査の一つです。

当院では、カテーテル治療が必要と判断される患者さんについては、適切な専門医療機関と連携して治療につなげています。


まとめ

✅ IVUSは冠動脈を内側から超音波で観察する検査

✅ 血管径・プラーク・石灰化などを詳しく評価できる

✅ PCIではステントのサイズや位置を決めるのに役立つ

✅ ステントが十分に広がっているかの確認にも使用される

✅ IVUSは「形」、FFRは「血流への影響」を評価するという違いがある


当院からのメッセージ

「カテーテル検査をしたらIVUSも行った」と聞いて、検査が増えたことを心配される方もいるかもしれません。

IVUSは、冠動脈をより詳しく観察し、PCIをより適切に行うために使用される重要な画像診断技術です。

検査や治療についてわからない言葉があれば、遠慮なく医師に確認しましょう。


院長のワンポイントアドバイス

冠動脈造影は血管を「外から影絵のように見る」、IVUSは血管を「内側から輪切りにして見る」と考えるとわかりやすいでしょう。

同じ冠動脈を見ていても得られる情報が違うため、両方を組み合わせることで、より適切な治療につなげることができます。


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