【図2:PCIでOCTを使う理由 ― ステント留置前・留置後の評価】
IVUSとOCTは何が違う?
どちらも冠動脈を内側から見る検査ですが、使用するものが違います。
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IVUS |
OCT |
| 原理 |
超音波 |
近赤外線 |
| 解像度 |
高い |
非常に高い |
| 組織の深部 |
観察しやすい |
IVUSより浅い |
| 血管表面の細かな構造 |
評価可能 |
特に得意 |
| 撮影時の血液除去 |
基本的に不要 |
必要 |
| 造影剤使用 |
状況による |
撮影のため使用することが多い |
つまり、
IVUSは「血管全体を深く見る」ことが得意
OCTは「血管表面を細かく見る」ことが得意
と考えるとわかりやすいでしょう。
OCTとIVUS、どちらが優れている?
「OCTのほうが画像が細かいなら、全部OCTでいいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、そう単純ではありません。
OCTは非常に高精細ですが、光が届く深さには限界があります。
一方IVUSは血管のより深い部分まで観察しやすく、大きな血管や特定の病変ではIVUSが適していることがあります。
またOCTでは撮影時に血液を除く必要があるため、造影剤の使用量などにも配慮が必要です。
病変や患者さんの状態、検査の目的によって使い分けます。
OCTとFFRは役割が違う
ここも重要です。
OCTやIVUSは、冠動脈の**「形態」**を見る検査です。
一方、FFRは冠動脈の狭窄によって、実際に心筋への血流がどの程度妨げられているかという**「機能」**を評価します。
したがって、
OCT・IVUS → 血管はどうなっている?
FFR → その狭窄は血流を妨げている?
という違いがあります。
OCTにはリスクもある?
OCTは心臓カテーテル検査の中で行われるため、侵襲を伴います。
まれですが、
- 冠動脈の損傷
- 冠攣縮
- 不整脈
- 造影剤によるアレルギー
- 腎機能への影響
などが起こる可能性があります。
特に腎機能が低下している方では、造影剤の使用量を考慮して検査方法が検討されます。
当院の考え方
現在のPCIは、単に冠動脈造影を見ながらステントを入れるだけではありません。
IVUSやOCTなどの血管内画像診断を利用することで、冠動脈病変をより詳しく理解し、患者さんごとに適切な治療を行うことが可能になっています。
どの検査を使用するかは、冠動脈の病変や患者さんの状態などを考えて専門医が判断します。
当院では必要に応じて専門医療機関と連携し、適切な検査・治療につなげます。
まとめ
✅ OCTは近赤外線で冠動脈を内側から観察する検査
✅ 非常に高い解像度が大きな特徴
✅ プラーク・血栓・ステントなどを細かく評価できる
✅ PCI前後のステント評価にも役立つ
✅ IVUSとOCTにはそれぞれ得意分野があり、目的によって使い分ける
当院からのメッセージ
心臓カテーテル治療では、「血管が狭い」という情報だけで治療を決めるわけではありません。
OCTやIVUSを使うことで、血管の中で何が起きているのかを詳しく調べ、より適切なPCIにつなげることができます。
検査名が多く不安に感じる場合は、「何を調べるための検査なのか」を担当医に確認してみましょう。
院長のワンポイントアドバイス
IVUSとOCTは似ていますが、見えている世界が少し違います。
IVUSは超音波で血管全体を評価することに優れ、OCTは高い解像度を生かして血管表面の細かな構造を観察することに優れています。病変に応じて使い分けることが重要です。
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次回予告
FFR(冠血流予備量比)とは?
~冠動脈が狭くてもステントが必要とは限りません。「見た目の狭さ」ではなく、その狭窄が本当に心筋への血流を妨げているのかを調べる検査について解説します。