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第1597回:院長ブログ:ケトン体とは悪いものではありません ~「ケトン体=危険」という誤解を医学的に解説~

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第1597回:院長ブログ:ケトン体とは悪いものではありません ~「ケトン体=危険」という誤解を医学的に解説~

この記事でわかること

✅ ケトン体とは何か

✅ ケトン体はなぜ作られるのか

✅ ケトーシスと糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)の違い

✅ ケトン体は危険なのか


ケトン体とは?

ケトン体とは、

糖質が少ないときに、脂肪から作られるエネルギー源です。

主に肝臓で作られ、

  • β-ヒドロキシ酪酸
  • アセト酢酸
  • アセトン

の3種類があります。

私たちの体は糖質が不足すると、

脂肪を分解してケトン体を作り、

脳や筋肉、心臓などで利用します。

つまり、

ケトン体は体に備わった正常な代謝システムです。


ケトン体はいつ増える?

ケトン体は、

  • 糖質制限
  • ケトジェニックダイエット
  • 一晩の絶食
  • 長時間の運動
  • 飢餓状態

などで増えます。

これは、

体が脂肪をエネルギーとして使っている証拠であり、

病気とは限りません。

 

 

 

 

 

 

【図1:ケトン体が作られる仕組み】


「ケトーシス」と「糖尿病性ケトアシドーシス」は別ものです

ここが最も重要なポイントです。

よく混同されますが、

健康な方のケトーシスと、

**糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)**はまったく異なる状態です。

ケトーシス

  • 糖質制限や絶食で起こる
  • インスリンは分泌されている
  • 血糖値は正常~軽度上昇
  • 体の正常な適応反応

糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)

  • インスリンが著しく不足
  • 高血糖を伴うことが多い
  • 血液が酸性に傾く
  • 緊急治療が必要

つまり、

「ケトン体がある」ことと、「危険な状態」であることは同じではありません。

 

 

 

 

 

 

 

【図2:ケトーシスとDKAの違い】


ケトン体は脳にも必要なエネルギー

「脳はブドウ糖しか使えない」

という話を聞いたことがある方も多いでしょう。

実際には、

通常はブドウ糖が主なエネルギー源ですが、

絶食や糖質制限が続くと、

脳はケトン体も利用できるようになります。

これは人類が飢餓を生き延びるために獲得した、生理的な適応反応です。


糖質制限中にケトン体が出ても心配ない?

糖質制限を行っていて、

  • 血糖値が安定している
  • 体調が良い
  • 水分がしっかり摂れている

のであれば、

尿や血液でケトン体が検出されても、

多くの場合は心配ありません。

ただし、

糖尿病のある方やSGLT2阻害薬を服用している方では、まれに正常に近い血糖値でもケトアシドーシスを起こすことがあるため、吐き気、腹痛、嘔吐、強い倦怠感などの症状がある場合は早めの受診が必要です。


当院の考え方

当院では、

「ケトン体が出たかどうか」ではなく、患者さんの全身状態や血糖値、背景疾患を総合的に評価することを大切にしています。

糖質制限による生理的なケトーシスと、治療が必要な病的状態を区別することが重要です。


まとめ

✅ ケトン体は脂肪から作られる正常なエネルギー源

✅ 糖質制限や運動でも増える

✅ ケトーシスと糖尿病性ケトアシドーシスは全く異なる

✅ ケトン体が出たことだけで危険とは言えない

✅ 症状や血糖値を合わせて判断することが大切


当院からのメッセージ

「ケトン体=危険」というイメージだけで、不安になる必要はありません。

一方で、糖尿病や服用中のお薬によっては注意が必要な場合もあります。検査結果は自己判断せず、症状も含めて一緒に確認していきましょう。


院長のワンポイントアドバイス

ケトン体は、人間が本来持っている「脂肪をエネルギーとして利用する仕組み」の一部です。

大切なのは、ケトン体の有無だけではなく、血糖値や体調、基礎疾患を含めて総合的に判断することです。


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